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「キッズルーム不要」 タワマン住民からの訴えに悩むママ 決議で「廃止」の可能性も

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:姉帯 裕樹

理事会で「廃止」が決まればなくなることも…

「中目黒コレカライフ不動産」の姉帯さんによると、真利亜さんがお住まいのタワマンのように、施設をつぶす・つぶさないの問題が起こっているところは、思っている以上に少なくないそう。共用施設には、維持していくためのランニングコストがどうしてもかかります。

「共用施設についての問題は、集合住宅につきもの。ただ、通常のマンションにはタワマンのように豪華で維持が高額な設備がほぼないため、これまで大きな問題が起こることはありませんでした。現在、タワマンをはじめとする大規模集合住宅でよく起こっているのが、駐車場の要・不要問題です」

 姉帯さん自身が住んでいたマンションの例でいうと、敷地内の駐車場は使用料が高く設定されているため、マンション周辺の民間駐車場を利用する住人が圧倒的に多かったそう。使用料が入らなければ管理組合は収益を上げることができなくなります。しかし、駐車場を維持する費用はかかるため、「駐車場はいらないのでは」という意見が上がったのです。

「このときは理事会で話し合った結果、月極の駐車場からコインパーキングへ変更になりました。コインパーキングなら近隣住人が利用することもでき、来客時に使用しやすくなったためか利用者は増えたようです。しかし、今回のキッズルームのような用途が限定されているスペースは、どうしても要・不要論が出てきやすいもの。理事会で多数決をとり、『いらない』と判断された場合、なくなってしまう可能性もあります」

 キッズルームが失われてしまうこともある――? では、そうした施設を必要とする住人は、どうすれば良いのでしょうか。

「管理規約をしっかり確認しましょう。また、理事会に積極的に参加し、自分たちに不利な取り決めが行われないよう監視するのも大切です。なぜ必要なのか、日頃から地道に訴えて、維持費はかかるけれど大切な施設であることを理解してもらうようにしましょう」

(和栗 恵)

姉帯 裕樹(あねたい・ひろき)

「株式会社ジュネクス」代表取締役。宅地建物取引士の資格を持ち、不動産取り扱い経験は20年以上を数える。独立した現在は目黒区中目黒で不動産の賃貸、売買、管理を扱う「コレカライフ不動産」として営業中。趣味はおいしいラーメンの食べ歩き。