Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

ライフスタイル

子どもに理想を押し付けすぎた母 家族の崩壊と夫からの離婚宣言 回避する方法は?

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ

愛情は正しく伝えることが鉄則

 離婚話が持ち上がってから半年経った現在も、まなさんは離婚を拒否して家族とともに暮らしています。しかし、ほかの家族はほとんど家に寄り付かず、顔を合わせたところで言葉を交わすこともありません。それでも離婚は絶対にしたくないという、まなさん。こうした現状を打開するためには、なにをどうする必要があるのでしょうか。夫婦カウンセラーの原嶋さんに伺いました。

――まなさんはまず、何をするべきでしょうか?

「冷静になって、お子さんを含めたうえで夫と話し合う必要があると思います。また、まなさんにとって厳しい提案になりますが、これからも家族と暮らしていくにはまなさん自身が変わる必要もあります。まなさんはしつけと混同して、これまで自身の価値観を子どもに押し付け、言葉の暴力で責めてきてしまいました。これは家族間であれど『モラルハラスメント』です。理解しない夫や長女が悪いと感じているようですが、そこを改めることができれば、破綻してしまった絆をある程度戻せるのではないでしょうか」

――まなさん自身が変わるために、必要なことはありますか?

「これまでしてきてしまったことを正しく反省すること。反省し改心した姿を家族に見せて信頼を復活させること。この2つが必要だと思います。しかし、反省したからといって元の関係に戻れるかといえばそうではなく、夫が『離婚したい』や『離婚を考えている』ではなく『離婚する』と明言していることからも、元のように戻るのはかなり難しいのでは? と思われます。それでも再構築を望むのであれば、一時的に別居し、お互いが冷静になる期間を設けてみることをおすすめします」

――「別居が離婚につながるのでは?」と、まなさんは危惧していますが……。

「家族から一度離れて冷静になり、長女への怒りを鎮めて関係を改善すれば、夫も離婚一択の考えを軟化させる可能性が高いでしょう。なお、夫婦や家族間の喧嘩は、互いに感情が揺さぶられ、引くに引けない状況を作り出してしまうもの。できるだけ冷静に、落ち着いて会話をする機会を設けることが大切です。今後、夫婦やご家族での話し合いを重ねていくことになると思いますが、あらかじめ話し合いたいことを紙に書き出しておいたり、感情的にならないよう第三者に同席してもらったりするなどの工夫をおすすめします」

(和栗 恵)