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「マジ異次元」 育休中のリスキリングは無理? 過酷な現状を描いた漫画に共感殺到
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「育休中にリスキリングを」に対する違和感
物議を呼んだ育休中のリスキリング。育児のリアルを描いたたけさんに、作品に込めた思いなど詳しいお話を伺いました。
Q. 今回の漫画を描こうと思った理由を教えてください。
「当時生後11か月の娘の育児中に、ある議員が『育休の取りにくさを乗り越えるために育休中にリスキリングを』という趣旨の発言されたのを目にしたときに違和感があったからです。環境や当人のポテンシャルなどによってできる場合もあるだろうとは思いますが、私たちは夫婦二人で実際に体験して、まずできないと感じました」
Q. 漫画で描かれたような生活は現在も続いていますか?
「現在は伝い歩きをしたり、なんでも口に入れたりするため、より目が離せなくなった感じはありますね。手がかからなくなることも出てくる反面、新たな大変さも出てきて、日々バタバタしてしまってます」
Q. 漫画では描き切れなかったことは?
「育児をしながらだとほかのことに対して完全に集中しきることができないので、効率良く合理的に過ごすことがなかなかできない、ということです」
Q. 「シンプルに妊娠から出産、育児教育の部分の心身、金銭的負担軽減が何より一番必要」と綴られていますが、具体的にどのような対策を望みますか?
「我が家だけでなく、夫婦ともに親が遠方で助けてもらうことが難しい環境の家庭は多いと思います。しかし、心身の疲労がどうしてもピークになるときも。そんなときにフォローしてもらえる施設や制度などがあればありがたいと感じていました。
また、現在は妻が育休中ですが、保育園に受からず仕事に復帰できていません。育休の給付金はありがたいのは間違いないですが、元の賃金より少ないため早く復帰して100%を目指したいです。なので、保育士の待遇改善、それにより保育園が充実し受け入れ体制が拡充してくれたらと願います。
そのほかにも、子どもが生まれたら、男性でも女性でも一定期間休業するのは当たり前ということを意識づける情報発信なども行ってほしいと思います」
Q. 印象に残っている読者からの感想は?
「共感の声を数多くいただいたことで、『子どもが産まれて、育てることは大変であること。そして重大であること』を再確認しました。その一方で、やはりこのテーマは環境(親と同居かどうか、育児の考え方・やり方、夫婦のスタンスなど)が大きく左右しますので、反対意見や厳しいコメントもいただきました。そういう意味で、難しい問題だなと思いました」
(Hint-Pot編集部)