からだ・美容
男性ホルモンを低下させない工夫とは 男性更年期の対処法 医師が解説
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教えてくれた人:小山 太郎
更年期障害の具体的な症状 発症を判断するポイントは?
続いて、男性の更年期ではどのような症状が見られるのでしょうか。更年期症状を自覚する40代~60代の男性100人に、自身の更年期症状として当てはまるものを聞くと「疲れやすい」(66.0%)が最も多くなり、次いで「頻尿」(41.0%)、「不眠」(40.0%)と続きました。
この調査結果を見ると、男性パートナーが「最近、疲れやすいように見える」「頻尿や不眠に悩んでいるように見える」といった場合、「更年期障害かも?」と思うかもしれません。小山先生によると、症状はひとつではないため、判断基準はさまざまあるようです。
「年齢がひとつの判断基準になります。男性の場合、ホルモン低下に起因する諸症状は40代以降で目立ってくるケースが多いです。また男性更年期症状はひとつではなく、心・体・性において、複数の症状を併発することが多いのが特徴です」
【男性更年期の代表的な症状】
心の症状:イライラ、不安、うつっぽい、睡眠障害を認めることも
体の症状:関節の痛み、発汗、ほてり、太りやすくなる、筋力がつきにくくなるなど
性の症状:性欲低下、勃起力の低下、夜間睡眠時勃起の減少など
どう接するのが正解?
更年期症状で悩んでいるように見えるパートナーへは、どのように対応するのがいいでしょうか。
「周囲の対応方法は、とくに決まったものはありませんが、男性更年期についておおまかな知識を持つことが第一歩かと思います」
また、日常生活においては、男性ホルモンを少しでも増やす、低下させない工夫をすることにも意味があるそう。
「男性更年期についてはテストステロン補充療法、つまり男性ホルモンの筋肉注射や塗り薬が効果的です。日常的には、男性ホルモンを増やすために、筋トレや食事からの栄養摂取を心がけるといいでしょう。その際、男性ホルモンの原料であるコレステロールという脂質を補うために、脂も適度に必要です」
【テストステロンを増加させる報告がある栄養素】
・亜鉛
・ビタミンB1
・アリシン
・カプサイシン など
「反対に夜更かし、睡眠不足、飲酒、肥満、ストレスは男性ホルモンを低下させるので注意しましょう。楽しい時間や居場所を持つことが大切です。これらのことに気をつけて工夫をし、パートナーに対して協力できることがあれば行ってみるといいでしょう」
パートナーが男性更年期で悩んでいるように見えるなら、これらのことを参考に、そっとサポートしてあげるのもいいのではないでしょうか。
(Hint-Pot編集部)
小山 太郎(こやま・たろう)
Dクリニック新宿院長。2001年慶應義塾大学医学部卒。慶應義塾大学形成外科を経て2009年にDクリニック東京(旧 城西クリニック)に入職。2021年よりDクリニック新宿院長に就任。https://www.menshealth-tokyo.com/