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放置しないで! あなたのその症状は「月経異常」かも? 経験者が訴える治療の大切さ
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今年3月、有名YouTuberが自身の動画で「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)による月経異常」と診断されたことを報告。「もしかして私も……?」と心配する若い女性が増えているようです。普段の生活で意外と見過ごしがちな月経異常。今回の「フェムテックtv」は、病院へ行くべきタイミングや実際の体験談などについてお伝えします。※医師監修:菊地孝行(産婦人科医)
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子宮体がんのリスク上昇につながることも…月経異常とは?
一般的に正常とされる生理周期は25~38日間。それを基準に、これまであった月経が3か月以上停止してしまった状態を指すのが「月経異常」です。
その主な原因は、ホルモンバランスの乱れによる排卵障害と考えられています。さらに、長期間の排卵障害が起きると、子宮内膜を増殖するエストロゲンとそれを抑えるプロゲステロンのバランスが崩れ、子宮体がんのリスク上昇につながることもあるそう。
また、「生理不順だけどさすがに3か月も来ないことはないから平気」なんて思い込みもかなり危険。生理周期が25~38日間で安定している場合以外は排卵していない可能性もあるため、有名YouTuberのように多嚢胞性卵巣症候群と診断される可能性もあります。
たとえ月経が来なくても「煩わしい生理が来ないならラッキー!」と楽観的にとらえるのではなく、きちんと自分の体と向き合ってみませんか? 治療方法は、妊娠を考えている場合と、順調に月経が訪れるようにしたい場合とで変わってくるようです。
参考サイト:働く女性の健康応援サイト「月経について」
中には病気による月経異常も! 決して軽視せずに病院へ
月経異常の主な原因として考えられるものは、食事をまったく取らず標準体重を大幅に下回る無茶なダイエットや日常生活における心因的ストレスの影響。これらが原因でホルモンのバランスが崩れ、排卵障害が起こり月経異常をきたす場合があるそうです。
しかし、中には甲状腺や卵巣、下垂体などの疾患が原因で排卵障害が起こることもあります。また、早発卵巣不全のように卵巣そのものの機能が低下することにより、排卵ができない場合も。
これを放置しておくと、エストロゲンなどの女性ホルモンが分泌されず、結果として更年期症状(骨密度の低下、ほてり、心血管系リスクの増大)が見られる場合もあるため、月経異常の放置は禁物と言えます。受診のタイミングは以下が目安です。
【月経異常かも……病院へ行くべきタイミング】
・3か月以上月経がない
・妊娠の可能性がないのに月経が3日間続かない
・月経周期の変動が1週間以上ある
・普段と月経のパターンが急に変わった
女性の体はホルモンバランスの乱れなどに強く影響されやすいもの。ちょっとした体の変化に気付くために、毎朝基礎体温を計ることは有効的です。自分の体のリズムを知ることで、いち早く体の変調をキャッチできるよう、新習慣を取り入れてみてはいかがでしょうか。