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IHヒーターで作る専用調理レシピ2選 特徴を生かしておいしく作るコツとは

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著者:Hint-Pot編集部

IHクッキングヒーターや低温調理器のレシピ本が人気の料理家・脇雅代さん【写真提供:世界文化社】
IHクッキングヒーターや低温調理器のレシピ本が人気の料理家・脇雅代さん【写真提供:世界文化社】

「IHはガスコンロと違って火が見えないので火加減が難しい」「IHは火力が弱くて中華料理がうまくできない」など、IHクッキングヒーターで料理をするのはガスコンロより難しいという声を聞くことがあります。「IHとガスとではレシピが変わります」と語るのは、料理家の脇雅世さん。「加熱道具が変われば調理法が変わるのは当然です」といいます。そこで、IHクッキングヒーターでおいしく料理を作るコツや、著書「いちばん親切でおいしいIHクッキング・レシピ」(世界文化社刊)の中から失敗知らずの絶品2品をご紹介します。

 ◇ ◇ ◇

ガスとIHヒーターの違いとは?

 料理家の脇雅世さんは、両方の熱源でレシピを試すため自宅ではガスコンロを、仕事場であるキッチンスタジオではIHヒーターを20年以上愛用しています。使い比べることで、2つの長所と短所をそれぞれ自分なりに理解した結果、「ガスコンロとIHヒーターは加熱方法が根本的に違う」といいます。では、その違いとは何でしょうか。

 ガスコンロは、炎で調理器具を直接熱します。したがって、火の当たる鍋底、側面、取っ手まで全体が熱くなるのが特徴です。対してIHは「Induction Heating」の略で、正確には「電磁誘導加熱」といいます。その仕組みは、ヒーターの台(トッププレート)の下に渦巻き状の磁力発生コイルがあり、電気を流すとこのコイルから強力な磁力線が発生するというもの。すると、その磁力線がヒーターの台を通して上に置かれた鍋底の金属を発熱させ、鍋の中のものが熱くなります。つまり、IHヒーターは鍋の底がヒーターのように発熱するのが特徴です。

 そんなIHヒーターでおいしく調理するには、3つのポイントを押さえることが大切です。

【脇さん流IHヒーター調理ポイント3】
1. 火力
 IHヒーターの特徴は、鍋底自体が発熱して加熱調理をする点。そして、ガスコンロより火力の幅が広い点です。強火で一気に炒めたり、お湯を沸かしたり、とろ火で長時間煮込んだり保温することが可能になります。

2. 水量
 磁力線の力によって鍋底が発熱するIHヒーターでは、ガスコンロのように鍋の周りから炎であぶられることがないので、水分の蒸発が少なくなります。長時間煮る煮物やカレーなどは、調味料の分量はそのまま、加えるだしやスープ、水などを2割程度控えましょう。

3. フタ
 鍋底が発熱するIHヒーターは、ガスコンロのように側面から伝わる熱がありません。鍋の中の熱を効率良く使うためにもフタで調節することが大切です。フタ使いが、ガス火のときよりも熱の通りを大きく左右します。