エネルギーはゼロ？　主成分は何？

　寒天の主成分は食物繊維です。食物繊維は消化酵素で分解されずに大腸に届くので、便のかさを増やし整腸作用が期待できるでしょう。藻が原料なので、カルシウムや鉄などのミネラルも含みます。

　日本食品標準成分表2020年（八訂）には、角寒天、粉寒天、寒天の3つ、各100グラムの栄養価について記載があります。角寒天と粉寒天の食物繊維は74～79グラム、エネルギーは約160キロカロリーです。しかし、実際には角寒天や粉寒天をそのまま100グラム食べることはないでしょう。

　そこで、寒天の栄養価を見ていきましょう。こちらは角寒天2.2グラムを使用したゼリー状のもの100グラムのこと。水分が98.5グラム、食物繊維は1.5グラム、エネルギーは3キロカロリーです。寒天というと「0キロカロリー」のイメージがありますが、まったくないわけではありません。

ダイエット中の食事に活用するために

　以前、“寒天ダイエット”という方法が話題になったことがあります。これは、寒天を食べることでお腹を膨らませ、普段の食事摂取量（カロリー）を減らすことやお通じを良くすることが狙いだったのでしょう。

　しかし、寒天しか食べない食生活を毎日は続けられないでしょう。栄養バランスが偏り、健康が損なわれるためおすすめできません。食物繊維は血糖値やコレステロール値の上昇抑制などの効果も期待できますが、摂りすぎは下痢やミネラルの吸収を妨げることにつながります。また、食事量が少なければ便も出ません。

　寒天が低カロリーでヘルシーだからといって、一緒に砂糖やクリーム類などを使った高カロリーのものを摂取するのもNG。バランスが悪く、寒天の本来のメリットも発揮されないため、減量の意味がありません。

　ダイエット中の食事で寒天を生かすには、間食を寒天ゼリーなどに置き換えたり、食事の30分前に寒天を食べたりすることです。バランスの良い食事を心がけてください。

（Hint-Pot編集部）