「彼女のことがずっと好きだった」　衝撃の告白

　私は驚きのあまり「娘が心配だから先に帰る」と席を立ちました。夫が追いかけてきてくれることを期待したのですが、「2人と会うのは久しぶりだから、もう少し飲んでから帰る」と言われてしまい先に帰ることに。

　娘を迎えにいきながら、見間違いじゃないかと何度も頭の中で振り返りましたが、不安は消えませんでした。夫は、私と娘が帰ってから2時間ほど経ってようやく帰宅。ちょうど娘が寝たので、帰ってきたばかりの夫に2人が手をつないでいたところを見てしまったと打ち明けたんです。

　すると、夫は手をつないでいたことを認め素直に謝罪。そして、夫と彼女が会ったのは本当に久しぶりであることや、私と知り合って以降は彼女と2人きりで会ったことはないこと、今日は酔った彼女のほうから突然手をつないできたことなどを、口下手なりに伝えてきました。

　しかし、私は納得がいかず、なぜすぐに彼女の手を振り払わなかったのかと責めてしまったんです。すると、夫は「実は彼女のことがずっと好きだった」と告白しました。たとえ肉体関係などがないとしても大きな裏切りに思えて、その言葉に涙があふれてきました。私の目の前でほかの女性とこっそり手をつなぐ夫と、このまま一生一緒にいられるとは到底思えません。

　その後、市役所で行われていた無料の法律相談に出向きましたが、夫と友人に肉体関係がないため離婚事由としては弱いと言われてしまいました。私は今、自分がどうしたいかもわかりません。

まずは混乱している心の整理を

　誠実だと信頼していたからこそ、大きなショックを受け止め切れないでいる小枝子さん。夫婦カウンセラーの原嶋さんから見て、小枝子さんにとってベストな判断はどのようなものになるでしょうか。

――小枝子さんは、どのような対処をするべきですか？

「まずは夫としっかり話し合うことをおすすめします。それには、小枝子さん自身が心の整理をする必要があります。夫が友人と手をつないでいた事実はどの程度許せないことなのか。そのとき、夫に裏切られた気持ちになったのか、それとも友人に夫を奪われたようで気分が悪かったのか……。一つひとつ整理したうえで、夫のことを生理的に受け入れられないと感じるのであれば『離婚』もやむを得ないのでは？　と思います」

――小枝子さん自身が夫婦の関係を「仲の良い友人のような気楽な関係」と言っていました。せめて友人のように仲良くしていくことは難しいのでしょうか。

「もちろんカップルによってさまざまな関係があるので、一概に言うことはできません。けれども、友情と愛情は決して同じではないというのが私の考えです」

（和栗 恵）