Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

漫画

深夜の車道に突然の人影 「人をひきかけたので警察を呼んだ話」に3万人が称賛

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

元介護職だからこそ感じ取ったおじいさんの異変

Q. 今回の漫画を描こうと思った理由を教えてください。
「初めは備忘録として普通にツイートしようと思いましたが、文字で描くよりは漫画で描くほうがまとめやすかったからです。当初は、『フォロワーのみんなも気をつけてね』というぐらいの気持ちでした」

Q. おじいさんに声をかけようと決心するまで、どれくらいの時間がかかりましたか?
「1~3分程度、1キロも離れてないぐらいだったと思います」

Q. その後、警察から連絡はありましたか?
「とくに連絡はないので、あの後、おじいさんがどうなったかはわかりません。でも、同じような事例は全国で無数に起きていると思います」

Q. 真夜中に知らない人に声をかけるのは勇気が必要な行為だったのでは?
「私はもともと介護職をしていたので、おそらく認知症の徘徊ではないかと考えました。とはいえ確証もなかったので、もしかしたら酔っ払いとか、単に近所の人である可能性もあったと思います。ただ、クラクションを鳴らしても車道を歩き続けている時点で『このまま立ち去ってほかの車にひかれてしまうかもしれない……』と思い、おじいさんのもとに戻りました」

Q. 普段から困ってい人を見かけると声をかけていますか?
「普段から困っている人に声をかけているほうかもしれません。というより、むしろ困っている人から話しかけられやすいタイプです。それと介護職の経験上、『この人、大丈夫かな?』と察知する能力が高いのかもしれません。周囲を一旦観察して、明らかに助けが必要な感じであること、私が対処しなければ誰もやらなさそうであること、私が対処可能なこと(自分の身の安全が確保されていることも含む)がわかれば声をかけています」

Q. 読者からの感想で気づいたことを教えてください。
「感想は人それぞれとはいえ、不本意な受け取られ方をしていた部分もありました。おじいさんに関して私がわかることは何一つないので、認知症ともあえて書いていません。コメントの大半は、同体験談や実際に高齢者がいる家族の方の言葉、私への労い、『2人とも無事で良かった』『自分も気をつけようと思った』などが占めており、世の中は意外と優しいと思いました。

 今回この漫画がこれだけ拡散されたのは、この問題に関する当事者がたくさんいるということだと思います。介護を必要とする人、その家族、その状況に出くわした人、それを対処した介護士や警察……『他人事ではない』という無数の感想を見て、私もまた、改めてどの立場の当事者にもなる可能性があると思えたので良かったです」

(Hint-Pot編集部)