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イチゴは1日何粒からが食べすぎ? 豊富に含まれている栄養と健康効果とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部、和漢 歩実

春でもおいしいイチゴ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
春でもおいしいイチゴ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 イチゴは、クリスマスやお正月により冬が旬のイメージがありますが、こちらはハウスものがメイン。春から初夏にかけては、露地栽培のイチゴが出回ります。価格も手頃になるこの時季、おいしくてつい食べすぎてしまうことも。1日の摂取量はどのくらいが適正なのでしょうか? イチゴに関する豆知識や栄養面などを、元家庭科教諭で栄養士の和漢歩実さんに伺いました。

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イチゴは果物ではない? 食べている部位も果実とは異なる

 イチゴは、一般的に赤くかわいらしい形をした果物として人気です。しかし、厳密には果物ではなく野菜に分類されます。これは、イチゴが木になる実ではなく、草になる実の「草本性」だから。毎年、いちから育てられ1年で収穫するため野菜とされます。ただし、実際は果物のように食べられていることから、スイカやメロンと同様に「果実的野菜」と呼ばれます。

 また、イチゴの本来の果実部分は赤い部分ではなく、表面にある種のようなつぶつぶです。このつぶつぶは「痩果(そうか)」と呼ばれ、1粒に200~300個ほど含まれています。その果実を守るように、クッションのように膨らんだ赤い部分は「花托(かたく)」または「花床(かしょう)」と呼ばれます。本当の果実ではない部位が大きくなって果実のように見えることから、植物学でイチゴの実を「偽果(ぎか)」とも言います。

 イチゴは独特の甘酸っぱい味わいが特徴で、幅広い年代層に人気です。日本では、平安時代には食べられていたという説もあります。現在のような栽培イチゴが伝来したのは江戸時代末期。明治時代から栽培されるようになり、今では日本各地で品種改良が重ねられ、日本に存在する品種は約300種もあるそうです。

イチゴの代表的な栄養素とは

イチゴはビタミンCが豊富(写真はイメージ)【写真:写真AC】
イチゴはビタミンCが豊富(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 イチゴの代表的な栄養素に、ビタミンCが挙げられます。100グラムあたりに含まれるのは62ミリグラム。なじみのあるほかの果物と比較すると、ミカンは32ミリグラム、リンゴは4ミリグラムなので、豊富なことがわかります。ビタミンCはコラーゲンの生成に必要です。コラーゲンには血管や皮膚などを丈夫にし、美肌をサポートする役割があります。

 また、造血作用や貧血予防で注目される葉酸、眼精疲労の予防で知られるアントシアニンも含まれています。食物繊維の一種ペクチンは、血糖値やコレステロール値の調整、腸内環境を整えることが期待される成分。酸や糖と一緒に加熱するとゲル状(ゼリー状)になります。その特徴をいかして作られるのがイチゴジャムです。加熱するとビタミンCが減ってしまいますが、凝縮されたイチゴの味が楽しめます。

 イチゴはエネルギーが低く、100グラム(中粒1粒15グラム、廃棄率2%として約7粒)あたり31キロカロリーです。1粒にすると4.5キロカロリーになります。コンビニエンスストアなどで売られているカカオ分72%のチョコレートは、1粒(5グラム)で28キロカロリー。食後のデザートが食べたいけれどカロリーの数値が気になる人は、イチゴを選ぶのも良いでしょう。