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モヤシに含まれる栄養素 ダイエット中のかさ増しに良い理由とは 栄養士が解説
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教えてくれた人:和漢 歩実
モヤシの栄養価とは
一般的に「モヤシ」と呼ばれている野菜は、大豆や緑豆などの豆類を水に浸し、暗所で発芽させたものです。豆類は良質なたんぱく質や炭水化物などを含んでおり、発芽する過程でこれらの栄養成分が分解され、ほかの栄養素が生成されます。
原料である豆に比べると、発芽したモヤシは約95%が水分であるため、エネルギーはかなり少ないです。これが低カロリーでヘルシーとされる理由でしょう。一方で、緑豆にはほとんど含まれていなかったビタミンCの含有量が、モヤシになると増えることで知られています。
現在、日本で手に入るモヤシは「緑豆モヤシ」「ブラックマッペ」「大豆モヤシ」の3つ。日本食品標準成分表2020年版(八訂)を基に、主な栄養価(可食部100グラムあたり)をそれぞれ見ていきましょう。
○エネルギー
緑豆:15キロカロリー
ブラックマッペ:17キロカロリー
大豆:29キロカロリー
○たんぱく質
緑豆:1.7グラム
ブラックマッペ:2.2グラム
大豆:3.7グラム
○脂質
緑豆:0.1グラム
ブラックマッペ:Tr(微量)
大豆:1.5グラム
○糖質
緑豆:1.3グラム
ブラックマッペ:1.3グラム
大豆:0グラム
○食物繊維
緑豆:1.3グラム
ブラックマッペ:1.5グラム
大豆:2.3グラム
○カルシウム
緑豆:10ミリグラム
ブラックマッペ:16ミリグラム
大豆:23ミリグラム
○葉酸
緑豆:41マイクログラム
ブラックマッペ:42マイクログラム
大豆:85マクログラム
○ビタミンC
緑豆:8ミリグラム
ブラックマッペ:10ミリグラム
大豆:5ミリグラム
糖質は含まれていませんが、大豆モヤシはエネルギー源であるたんぱく質や脂質が多く、もっとも栄養価が高いといえます。いずれのモヤシも水分が多く低カロリーで、ビタミンやミネラルも含んでいるので、ダイエット中のかさ増しなどに用いると良いでしょう。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾