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「醤油の日」におさらい こいくち、うすくち、再仕込み、そして生とは
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教えてくれた人:塚本 崇
料理によっても使い分け いつものメニューもワンランクアップ
塚本さんによると、このほかリッチな味わいの「再仕込み」しょうゆも、刺身や肉料理などにマッチするので、いつもの料理がワンランクアップするそうです。
〇再仕込み
「日本のしょうゆ出荷量の約1%で、食塩分は約16%。 しょうゆを2度醸造するような製法をとるため『再仕込み』しょうゆと呼ばれます。一般的に色が濃く、どろりと濃厚な味わいです。しょうゆは仕込むときに食塩水を合わせますが、『生揚げ(きあげ)しょうゆ』を合わせて仕込みます。塩味がやわらかでありながら、コク深く、濃厚でまろやかな味わいです。ローストビーフやステーキなどとも相性が抜群です」
このほか、最近では塩分控えめの「減塩しょうゆ」や「だししょうゆ」など、種類が豊富です。
「減塩しょうゆは、しょうゆの旨みや香りをそのままに、塩分だけを減らしており、こいくちしょうゆと同様に使えます。たとえば肉や魚の照り焼きや、果汁や香味野菜と合わせてもおすすめです。しょうゆをベースにだしや甘みを加えた調味料であるだししょうゆは、味付けが1本で完成するので便利です」
また、最近よく耳にする「生(なま)しょうゆ」は、製法の特徴を示した分類の名前だそうです。
「通常、しょうゆをつくる時は、加熱して微生物を取り除く『火入れ』という工程を行いますが、この『火入れ』を行わずにつくるのが『生しょうゆ』です。鮮やかな色、さらりとした旨み、おだやかな香りが特徴となり、素材の味わいを引き立てます」と塚本さん。
通常の工程を行った「火入れしょうゆ」は、コク深く、しっかりとしたキレのある味わいと深みのある色合いがあり、煮物などをしっかりしょうゆ味に仕上げたいときにおすすめだそうです。特に角煮や魚の煮つけなど、しっかり深い味わいに仕上げたいメニューに最適といいます。
「生しょうゆ」はさらりとした旨みと鮮やかな色で、新鮮な素材の味をひきたてるおいしさが特徴。つけかけはもちろん、さっと炒めたり、素材の風味を生かす煮物などにも向くそうです。
日本の文献の中に、初めて「醤油」という文字があらわれたのは室町時代の1597年に刊行された『易林本 節用集』(えきりんぼん せつようしゅう)と言われています。この頃からしょうゆは、各家庭にも広まってきたと考えられているようです。それから、400年以上経ち、さまざまな種類のしょうゆが現代の日本の食卓でも愛用されています。なにげなく使っていますが、奥深いですね。
(Hint-Pot編集部)