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実は緑黄色野菜の豆苗 原料はなんの豆? 栄養士に聞いたおすすめ調理法も

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

豆苗(写真はイメージ)【写真:写真AC】
豆苗(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 値上げの波が止まらないなか、豆苗は物価の優等生といえるでしょう。季節を問わずに手に入り、比較的に手頃な価格で安定している野菜です。葉と茎を食べ終わった後、根を水に浸しておくと新しい芽が伸びてくることから、再生栽培している人も多いでしょう。どんな栄養があるのか、またどんな食材と組み合わせると効果的かを、元家庭科教諭で栄養士の和漢歩実さんに伺いました。

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豆苗はなんの豆?

 豆苗とモヤシはどちらも豆を発芽させたものですが、原料である豆の種類が違います。豆苗は、エンドウ豆をスポンジで水耕栽培したもの。モヤシは、緑豆や大豆を水に浸し発芽させたものです。

 豆苗が日本に伝来したのは1970年代。当時は希少価値が高く高級中華料理店で使われ、一般家庭の食卓にはあまりなじみのない野菜でした。しかし、90年代半ばから工場で水耕栽培が始まると店頭に並ぶようになり、天候に左右されないリーズナブルな野菜として普及していきました。

 ちなみに、エンドウを若いうちに収穫してさやごと食べる品種がサヤエンドウ、さやの中の豆をある程度まで成長させて完熟前のやわらかい状態で収穫したのがグリーンピースです。グリーンピースを改良した品種で、さやごと食べられるのがスナップエンドウ。みつ豆に使われる豆は、完熟した赤エンドウと呼ばれるものです。

豆苗の栄養パワーとは

再生栽培が楽しい豆苗(写真はイメージ)【写真:写真AC】
再生栽培が楽しい豆苗(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 豆苗の主な栄養価(100グラムあたり、生)を見ていきましょう。

○エネルギー
 27キロカロリー。低カロリーの野菜といえるでしょう。

○葉酸
 120マイクログラムと多く含まれています。赤血球の生成や細胞分裂、合成に必要な栄養です。

○ビタミンA(βカロテン当量)
 3100マイクログラムと豊富。βカロテンは必要時に体内でビタミンAに変わり、免疫機能をサポートします。

○ビタミンK
 210マイクログラムと豊富。血液を凝固させる働きを持つ脂溶性ビタミンです。

○ビタミンC
 43ミリグラム含まれます。コラーゲンの生成に不可欠な、水溶性のビタミンです。

 豆苗は、さまざまなビタミンやミネラルを含み、とくにビタミンA(βカロテン)がたっぷり含まれる優れた緑黄色野菜です。βカロテンは、必要時に体内でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜を強くし免疫機能を高める効果が期待されています。