母ねこに置いてけぼりにされてしまった過去も

　ぎがくんはこの後も、しばらく頭を下にしたままの状態でフリーズ。原田さんが名前を呼ぶと、我に返ったように体勢を元に戻したそうです。

　生まれたばかりの息子さんに興味津々で、積極的にコミュニケーションを取ろうとするぎがくん。“弟”をかわいがる行動の裏には、家族との寂しい別れがあるようです。

　原田さんとぎがくんが出会ったのは、2021年の冬でした。家の近くの工事現場に住みついていたねこが、3匹の子ねこを出産。しかし、母ねこは工事の音に驚いて逃げ出し、子ねこのうち1匹だけが取り残されてしまいます。

　このとき、すでにとこちゃんと一松ちゃんをお迎えしていたことから、原田さんはすぐに子ねこを保護するには至りませんでした。また、母ねこが迎えにくるかもしれないことを考え、しばらく様子を見ることに。ところが、数日経っても母ねこは戻らず、工事現場の作業員さんから「かなり衰弱している」と相談を受けたのです。

　子ねこの写真を見せてもらった原田さんは、保護を決意。一度は逃げられてしまいましたが、近所の方の協力もあり、無事にお迎えすることができました。

　当時のぎがくんは、ひとりぼっちになって寂しい思いをしていたことでしょう。しかし、優しい家族に囲まれてすくすくと成長することができました。家族がくれたたくさんの愛を、次は自分が“弟”に注いでいきたいという思いがあるのかもしれませんね。

赤ちゃんの誕生で複雑な心境になるねこも…

　息子さんが誕生し、ますますにぎやかになった原田さん一家。しかし、一松ちゃんだけはちょっぴり複雑な心境になっているようなのだとか。

「一松は、私に対して『私が一番のはずでしょ？』と若干拗ねている様子です」

　これからもきょうだい仲良く、楽しい思い出をたくさん作っていってほしいですね。原田さんのブログでは、ぎがくんとの出会いなどを描いた漫画や一松ちゃんへの“インタビュー”なども見ることができますよ。

（Hint-Pot編集部）