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人気コースは“キャラ弁” 外国人に教える日本の料理教室 副業から本業にした理由
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講師の育成機関を新たに立ち上げ 教室の運営ノウハウや場を提供
「わしょクック」を法人化した1年後、新たに設立したのが、一般社団法人外国人向けの料理教室協会でした。
「認定講師育成講座といって、料理を外国人旅行者に教えることができる講師の育成を行っています。今は委託契約している講師が150人ほど在籍しているのですが、彼女たちには特別な技術があるわけではなく、本当に普段作っている家庭料理を外国人に教えています。講座ではその料理教室でのノウハウを教えているのですが、参加した外国の方に喜んでいただいています。なにげなく食べていますけど、私たちが作っている家庭料理には価値があるんだなって思いましたね」
一般的に、講師の育成機関は認定の資格を取得して終わるところが多く、その資格をいかせていない人が多いといいます。そこで同協会では、料理教室の運営ノウハウも教えているそうです。
「コンセプトや商品作り、マーケティングや集客の仕方など、ビジネスとしていかせるように経営のノウハウも教えています。卒業後には1年間、うちがサポートする形で、学んだことをアウトプットする場として『わしょクック』を提供しているんです」
これまでの卒業生は約300人。協会で学び、その後は「わしょクック」で実践する。なかにはフリーランスとして独立し、自身で料理教室を開いている人もいるのだとか。富永さん自身は現在、講師の育成やマネジメント、働く場の確保などが主な業務で、料理教室を行うことは少ないそうです。
外国人に一番人気の料理のクラスは日本の“キャラ弁”作り
「わしょクック」で体験できる料理教室のクラスは、「キャラ弁」「日本の家庭料理(おにぎり、みそ汁、厚焼き卵など)」「寿司」「おせち料理」の4つ。なかでも一番人気は、日本のアニメキャラクターをお弁当で表現した“キャラ弁”。海外ではあまりなじみのない文化ですが、米国やオーストラリア、台湾や香港、韓国、タイ、シンガポールといったアジア諸国に至るまで、料理教室に参加するほとんどの外国人が“キャラ弁”を知っていて、人気なのだそう。
「外国の方ってめちゃくちゃテンションが高くて、全身全霊で喜びを表現するので、“キャラ弁”ができあがったときには拍手が沸き起こったり、ハグしたりするんです。見ていてすごくおもしろいんですよ」
始めた当初は日本に住む外国人が多く参加していましたが、コロナ禍で来日が制限されると、オンラインに切り替え、多くの人が料理教室に参加していたそうです。現在でもオンラインは継続されていますが、対面での料理教室が復活した現在は、月に50人以上の外国人旅行者が「わしょクック」で日本の家庭料理作りを体験しています。