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3月28日は「ミツバの日」 香り成分にも驚きのパワーが 種類や保存のコツを栄養士が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

ミツバの栄養とは 独特の香りの正体

 ミツバはβカロテンが豊富な緑黄色野菜です。βカロテンは必要時に体内でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜を強くし免疫機能を高める効果が期待されています。ただし、軟白栽培である切りミツバは、ほかと比べると少なくなります。そのほかに食物繊維やカルシウム、カリウムなども多く含まれています。

 独特のさわやかな香りは、「クリプトテーネン」と「ミツバエン」によるもの。これらの香り成分は、食欲増進やリラックス作用、ストレス解消で注目されています。伝統的な食養生の薬膳では、ミツバは気のめぐりを良くするほか、解毒効果もあるといわれています。ミツバのなかでもっとも香りが強いのは、春の今の時期に出回る根ミツバです。香り成分は揮発性であるため、加熱や時間経過とともに減少します。旬の新鮮なものをいただきたいですね。

新鮮なミツバの選び方 保存の方法

茶碗蒸しに使うことも多いミツバ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
茶碗蒸しに使うことも多いミツバ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 鮮やかな濃い緑色をしているものが新鮮な証拠です。鮮度が落ちてくると、葉がシナッとして黄色くなってきます。茎の部分は、みずみずしく葉先から根元までピンとしているもの、香りの強いものを選びましょう。切りミツバの場合は切り口が新鮮なものを、根ミツバの場合は根が元気なものがおすすめです。

 ミツバは乾燥に弱いので、濡らしたペーパーで包み、袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。香りはしだいに薄れていくので、早めに食べ切ります。

 生でも食べることができます。香味野菜なので好みもありますが、生で食べる場合は糸ミツバや切りミツバのほうが食べやすいでしょう。ツナと和えてサラダなどにして食べてもおいしいです。

 汁物や茶椀蒸しなどに添える程度で、少量しか使わないことが多いかもしれませんが、おひたしやかき揚げのようにして食べるとたっぷりいただけます。今は価格が高いですが、卵とじにしても良いでしょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾