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食料を常温で保存するポイント ナチュラリストのキッチン事情

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著者:小田島 勢子

築70年、4畳ほどのキッチン【写真:小田島勢子】
築70年、4畳ほどのキッチン【写真:小田島勢子】

 季節ごとにおいしく食べられる旬の食材は、上手に保存をして長い期間楽しみたいもの。また、春から夏にかけて温かさが増す季節は、食品の発酵も進みやすく、保存食作りに向いた季節です。米ロサンゼルスで築70年になる平屋で暮らすナチュラリストの小田島勢子さん。自然食のアドバイザーなど、食に精通する小田島さんは、四畳半の小さなキッチンでたくさんの手作り保存食に囲まれています。今回は、食材を常温保存するときのポイントについて綴ります。

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雨の恵みで活気づく小さな命たち

 今年のロサンゼルスは雨に恵まれ、こちらではめずらしく傘を差す人々や、長靴を履く子どもたちの姿を多く見かけます。100年に一度ともいわれる降水量により、ここ数年ずっと続いていた干ばつ警報もようやく解除されました。

 我が家の裏庭の草木はたっぷりの雨を浴びて、緑は一層深く、時折出てくる太陽の光に照らされる新緑のなか、ニワトリたちは泥んこになりながら、雨で地面から顔を出したミミズを嬉しそうについばみます。

 家のなかでは菌類、菌糸類がとても元気で、とくにリビングで育てているヒラタケとエリンギ、ナメコやシメジは雲のようにもこもこと菌糸を伸ばし成長しています。キッチンのカウンターテーブルでは、いつにも増してお酢や紅茶キノコの酵母たちが活発で、その姿に森のなかではキノコや菌類が生き生きと暮らしていることを容易に想像できます。

 私が一日の大半を過ごすキッチン。今回は築70年になる我が家で4畳ほどの空間にある、常温保存スペースのお話をしたいと思います。