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突然の入院で夫婦間の問題が露呈 自立していない夫と今後どうすればいい?

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ

まずは面倒を見すぎることをやめる

 さっそく、夫婦カウンセラーの原嶋さんにお話を伺ってみましょう。

「可南子さんのような悩みは、実は多くの高齢女性が抱えています。『男性は仕事、女性は家庭』という性別役割分担をして過ごしてきた人が多い世代。家の中のことは妻に任せてきたのに、急にあれをしろ、これをやれと言われてもポカンとしてしまうのは、仕方がないことなのです」

 しかし、可南子さんの家庭のように、突然のけがや病気で妻が動けなくなってしまうことは珍しくありません。健康なのであれば、身の回りのことをある程度、自分でできるよう自立を促す必要があると原嶋さんは言います。

「まずは、朝食や昼食の準備から始めてみてはいかがでしょうか。パンを焼く、冷蔵庫から牛乳を出しコップに注ぐなど、簡単なことから。食事作りはハードルが高いという場合は、個々に過ごす時間を増やすことをおすすめします。一緒にいると『おい、お茶』など、夫からなにかとお願い事をされてしまいがちだからです」

 たとえば、夫がリビングでテレビを観ていたら妻は自室で本を読むなど、同じ家の中で過ごすにしてもずっと同じ空間には居続けないようにするといいそう。高齢になってくると体調の急変などの心配もあるので、短時間ずつトライしてみるといいかもしれませんね。

「今回のように、家事に不慣れな男性にしてほしいことがある場合は、置き場所などをできるだけ明確に伝えるよう心がけることも大切です。『クローゼットの右側、上から2番目の引き出しに入っているバスタオルを2枚』とか『病院へ来る途中にあるドラッグストアで歯磨き粉を購入』など細かく指示をして、できれば紙やメールなど文字にして渡すといいでしょう」

 原嶋さんは「できることから始めてもらうことは悪いことではありません」と言います。夫婦は互いに助け合うもの。もしものときに支え合うことができる関係を築いていきたいですね。

(和栗 恵)