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春の山菜 知っているようで知らない栄養パワー 代表的な5つを比較

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

春の山菜5種類 それぞれの特徴や栄養とは

○ゼンマイ

ゼンマイ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ゼンマイ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 繁殖力が高い多年草です。クルクルと渦巻き状になっていて、茶色っぽい綿毛に覆われています。アクが強いので、十分にアク抜きをしましょう。0.3%の重曹を入れたお湯でゆでて、冷ましてから水洗いします。ナムルや和え物、煮物などにすると良いでしょう。

 必要時に体内でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜を丈夫にし、免疫機能を高める効果が期待できるβカロテンが含まれています。このほかに、腸内環境を良くする食物繊維や、余分な水分や塩分の排出を促すカリウムも。造血のビタミンとも呼ばれ貧血予防が期待されるビタミンB群の葉酸も含んでいます。

○ワラビ

ワラビ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ワラビ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 日本各地に自生し、食べるのは春に出る若芽です。先端が小さめで、枝分かれしているのが特徴。山菜そばなどでおなじみでしょう。プタキロサイドという天然毒が含まれているので、必ずアク抜きが必要です。おひたしや和え物、炒め物などにして食べます。地下茎から取れるでんぷんは、ワラビ粉として和菓子の材料に。

 脂質の代謝を助ける補酵素でもあり、皮膚や粘膜などの保護や成長を促す働きがあるビタミンB2を含みます。

○コゴミ

コゴミ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
コゴミ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 ゼンマイのようにクルクルと渦巻いた形状ですが、綿毛がなく、鮮やかな緑色をしているのが特徴。アクが少ないので、軽くゆでる程度で食べられます。天ぷらや和え物などにしても良いでしょう。

 必要時に体内でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜を丈夫にし免疫機能を高める効果に期待できるβカロテンやビタミンC、腸内環境を良くする食物繊維などを含みます。

○フキノトウ

フキノトウ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
フキノトウ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 フキの花蕾(からい)。つぼみを天ぷらやフキみそなどにしていただきます。肝毒性のある天然毒のピロリジジンアルカロイド類も含まれているので、アク抜きを必ずしましょう。一度にたくさん食べないように気をつけてください。

 造血作用や貧血予防が期待されるビタミンB群の葉酸、余分な水分や塩分を排出させる働きがあるカリウムを含みます。ポリフェノールの一種フキノール酸、ケンフェロールには抗アレルギー効果も。ペタシンと呼ばれる成分も含まれており、がん細胞の増殖を抑制する研究で注目を浴びました。

○タラの芽

タラの芽(写真はイメージ)【写真:写真AC】
タラの芽(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 タラの木の新芽。根元の硬い部分を切り落とし、ハカマを取り除きます。ウドに似た香りとほろ苦さがあり、独特の食感が人気で、おひたしや天ぷらなどにして食べるのがおすすめです。

 βカロテンは当然のこと、体の構成成分であるたんぱく質や、抗酸化作用のあるビタミンEがほかの山菜に比べて多いことが特徴。また、糖尿病予防に期待できるエラトサイドという成分も含まれています。

 店頭のものではなく、直接山に入り、山菜採りを楽しむ人もいるかと思います。間違えやすい毒草もあるので、十分注意しましょう。ルールを守り、安全第一で春の山菜を楽しみたいですね。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾