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義母の介護を拒否…遺産相続で大きな溝 離婚を希望する女性に夫婦カウンセラーの見解は

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ

感情に任せず冷静に判断を

 夫婦カウンセラーの原嶋さんに、真梨さんのお悩みについてアドバイスをいただきました。

「婚姻期間が20年以上の夫婦が離婚することは、一般的に『熟年離婚』と呼ばれています。『令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)の概況』の同居期間別に見た離婚件数の年次推移を参考に計算すると、20年以上同居し離婚した夫婦は全体の21.1%。離婚する夫婦の5組に1組が熟年離婚です。こうした熟年離婚の原因のひとつには、やはり配偶者の親の介護問題があるでしょう。もちろん、真梨さんの言う『介護は実子』という主張も一理ありますし、配偶者への愛情の有無や義理の親とのそれまでの関係性など、さまざまな状況があるでしょう。しかし、もし夫婦として良い関係を続けたいのであれば、できるだけ配偶者の気持ちに寄り添い、困っている場合は助ける必要があると思います」

 今回の真梨さんの場合、「頑なに突っぱねるのではなく、少なからず手伝っていれば……」と言う原嶋さん。しかし、過ぎたことを悔やんでも仕方がないので、イライラした気持ちはいったん抑え、冷静に将来を考える必要があるといいます。

「どうしてもいくばくかのお金を取って離婚をしたいというのであれば、弁護士への相談をおすすめします。しかし、これまで30年以上、専業主婦だったことを考えると、まずは離婚後に困らないだけのスキルを身につけるなど、さまざまな準備が必要になります。そのため、夫に真摯に謝罪をして話し合い、関係改善を図ったほうが良いのではと思いました。ご自身が今後どのように暮らしたいのか、収入はどうなるのか、ご自身の置かれている状況をよく考えてから答えを出すようにしてはいかがでしょうか」

(和栗 恵)