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東京大学に1浪で合格 浪人中はどんな毎日を過ごしていた? 集中力が切れたときの対処法も

公開日:  /  更新日:

著者:石川 遼

10点足りず浪人生に ひたすら勉強漬けの毎日

 サッカー部での活動に力を入れていたこともあり、現役時代に大学受験と本格的に向き合ったのは、実は3年生の10月頃だったという高橋さん。それでも試験では、合格ラインとおよそ10点差という点数が取れていました。そのため、“それなりにできてしまった”がゆえの重圧も感じながら迎えた浪人生活だったそう。

「現役のときは、学力の伸び悩みを感じるような余裕は正直なかったんです。夏の模擬試験の時点ではまったくできていなかったし、秋の模擬試験でも全然間に合わないという状況でした。だからこそ悩む暇もなく、とにかくやらないといけなかった。浪人生になったときは、春の模擬試験からA判定が取れていたんですけど、それが逆にプレッシャーにもなりました。あまり伸びしろがないとも取れますし、A判定が出ている以上は絶対に受からないといけないと言われているような気がしていました」

 そんな浪人期間は、文字通り「勉強漬け」でした。当時はどのようなサイクルで一日を過ごしていたのでしょうか。

「浪人の時は朝から晩までひたすら勉強をしていました。朝9時に予備校へ行き、授業は午後3時まで。授業が終わると、そのまま自習室に残って午後9時ごろまで勉強という生活でした。月に1度くらいは友達とごはんに行くこともありましたけど、基本的には自習室にいて、10分くらいの短い休憩時間をどれだけ効率良く過ごせるかをいつも考えていました」

“集中できていないなりの勉強法”を工夫

 朝から晩まで机に向かう日々。高橋さんは「集中力がそんなに長く持つタイプではない」といいます。だからこそ、長い受験期間を乗り越えるためには工夫が必要でした。散歩や音楽を聴くことで気分転換をすることも多かったそうですが、高橋さんは集中力が切れたときこそ“集中できていないなりの勉強法”を意識していたそうです。

「たとえば、僕は世界史である出来事がいつの時代に起きたことなのかを覚えるのがあまり得意ではなかったので、時代ごとに出来事をノートにまとめるようにしていました。出来事をノートに書き写す作業自体は頭を使わずにできるので、集中力が切れたときにそういう作業をするようにしていたんです。書いているときは内容が頭に入っていなくても、それを後で見返すことに意味がありますから。集中力が切れたからといってただ休むのではなく、より効率的にできる方法を試行錯誤していました」

 1年間の浪人期間を経て、見事に東大合格を勝ち取った高橋さん。温かく見守る家族のサポートや、創意工夫を凝らした学習方法が秘訣になっていたようです。

(石川 遼)