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「名前、違いますけど?」旧姓で呼ばれ激怒する元不倫独女の先輩社員 渡された座席表のナゾ
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旧姓で呼ばれて無視、さらに怒る先輩に場が凍り付く
その日たまたま、ももこさんの同期にあたる女子社員が、田澤先輩宛の電話を受けました。そして、その電話を取りつないだ際、田澤先輩から驚きの反応が返ってきたそうです。
「私の同期は普通に『田澤さん、お電話です』と声を掛けたんですが、完全無視。その後、何度も声をかけたのですが、田澤先輩は顔もあげず、見かねた上司が『呼んでるよ』と先輩の肩をたたいてくれたんです」
上司に声をかけられた田澤先輩は、すくりと立ち上がると、その表情から怒っていることがありありと見て取れたそうです。
「先輩はその同期に向かって『名前、違いますけど? 私、田澤じゃなくて中里です』と怒りに満ちた声で言い放ちました。あまりにきつい物言いに、その場は凍り付きましたね。田澤先輩は電話を取らず、また座り込んでしまったため、しばらく保留音だけが鳴り響いていました」
その場で同期が平謝りし、田澤先輩も機嫌を直して電話をかけ直したため、事なきを得たそうですが、この一件で田澤先輩を旧姓で呼ぶ人は誰もいなくなったそうです。
「私のなかでとても優しい先輩のイメージだったのですが一変しましたね。そんなに怒ることなんだろうかと」
新姓で働くのが一種のステータス!? 結婚披露宴の座席表に残るナゾ
その事件から3か月が過ぎた頃、田澤先輩の結婚披露宴が開かれました。部署のほとんどの人が招待され、後輩のももこさんは受付をお願いされました。出席者には仕事関係者が多く、退職した田澤先輩の元同期達もお祝いに。披露宴では座席の関係で、先輩の元同期Kさんと隣同士になったそうです。
田澤先輩の同期の中で一番最初に結婚し、出産がきっかけで退社したというKさんは、年に1度は開かれる同期会で田澤先輩と顔を合わせる仲なのだそう。そしてKさんはももこさんに、先輩の過去の話を教えてくれました。
「Kさんによると、先輩の同期は若くして結婚する人が多く、新姓で働くのが一種の『ステータス』となっていたそうです。しかし、田澤先輩は入社してすぐから7年近く、上司と不倫していたらしく、20代のほとんどを禁断の恋に費やしていた先輩には、夢のまた夢だったとか」
Kさんはももこさんに対し、なぜか田澤先輩の色々なことを教えてくれたそうです。しかし、ももこさんには聞きたくても聞けずに不思議に思っていることがひとつあるといいます。
「Kさんご本人のことなのですが、受付をした際にご祝儀袋に書かれていた名前と、座席表の名前が違ったんですよね。同期一早く結婚したと言っていたKさんなので、座席表が旧姓なことも考えにくくて……。ひょっとしたら離婚されていて名字が変わったにもかかわらず、先輩が密かに嫌がらせをしたのかもしれません」
もちろん、先輩が作った部署の座席表のように蛍光ペンでマークがついているわけではないので、Kさんが離婚しているのか、もしそうであれば先輩がそれを知っていたのかは、未だに分からず、披露宴の座席表の名字はナゾのまま。ですが、名字をめぐってこれほど熱くなれるものなのかと、ももこさんは苦笑いするのでした。
(Hint-Pot編集部)