「空間」を大切に、家族愛を育む

　古堅さんが「空間」にこだわるのは、「『空間』にはあらゆる可能性が秘められている」からだといいます。

「『空間』があるから物や人が生かされ、なければやりたいこともできません。『空間』には前向きに考えられるパワーがあり、その家のエネルギーが溜まります。物溜まりと化しているような家にはどんどん負のエネルギーが溜まって、人が押しつぶされている感じになり、動きも弱いですね」

　逆に、「空間」に溜まるエネルギーの質が上がれば、家族の出世や成績アップなどにつながることもあると考えています。実際、古堅さんのお宅では、2人のお子さんが難関大学の受験に見事合格したそうです。

　そんな古堅式の芯にあるのは、「思いやりの気持ち」です。

「長年いろいろなお宅を片づけてきて、そこで見てきたのは人間模様です。親子でも夫婦でも別人格なので、物で揉めていたりします。私が片づけの商売をやっているのは、その家の家族に幸せになってもらったり、やりたいことをやったりしてほしいから。家族みんなが暮らす『空間』を大切にして、そこから育まれる家族愛や思いやり、優しさにつながればいいなと思います」

　ただ、「私が行かないと片づかないというのは困ります」とも言います。

「そもそもYouTubeを始めたのは、コロナ禍で私が作業に行けない状態が続いたので、私が行かなくてもいいようにと思ったからです。でも、片づけの依頼は変わらず多く、『師匠（古堅さん）に会いたいから部屋を散らかそうと思います』なんてふざけて言う人もいます。私の手を煩わせないよう、YouTubeを見るだけでなく、本も読んでいただければうれしいですね（笑）」

（倉野 武）