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どうぶつ

ドイツで猫の去勢・避妊手術 術後のために用意すべきものは? 初体験に右往左往

公開日:  /  更新日:

著者:島崎 英純

去勢手術を受けたココロ。エリザベスカラーを装着しています【写真:島崎英純】
去勢手術を受けたココロ。エリザベスカラーを装着しています【写真:島崎英純】

 動物と共生するなかで、初めての経験にどぎまぎする飼い主さんもいるでしょう。ドイツで暮らすサッカーライターの島崎英純さんは、生後6か月を迎えた2匹の愛猫の去勢・避妊手術に立ち会うことになりました。初めての経験と、異国の地でなかなか言葉が伝わらない動物病院での手術は不安でいっぱい。しかし、愛猫たちの手術を無事に終えると、病院への信頼は強固なものになりました。

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手術に向けて準備をするも…初めての経験に不安

 ドイツでともに暮らす元保護猫の「心(ココロ)」と「皐月(サツキ)」は、生後6か月が経過した時点で、それぞれ去勢と避妊の手術を受けることに。当日の朝に動物病院へ赴いた僕は、キャリーケースの中から不安そうなまなざしを向ける彼らの姿に後ろ髪を引かれながら、病院のスタッフに彼らを預けました。

 当日は午前9時に病院へ預け、昼間に手術を受け、そして麻酔が完全に切れた夕方以降の引き取りという流れ。彼らを引き渡せるようになったら、病院から連絡が来ることになっていました。僕も、愛猫たちと約半日間、離ればなれになってしまうことがとても不安でした。

 僕は日本で暮らしていたときに保護猫と暮らしていましたが、各種手術をしたうえで保護猫施設から引き取ったので、手術当日やその後の様子を経験したことはありません。そのため、今回は僕自身も初めての立ち会いということで大変緊張しました。

 術式などは事前に聞いていて、全身麻酔をすること、メス猫のサツキは開腹手術をすること、オス猫のココロは患部を切り取るだけといったことを説明されました。サツキのために術後服は事前購入していましたが、ココロ用のエリザベスカラーを用意する時間がなくて右往左往する始末。「エリザベスカラーって、病院で用意してくれるのかな?」などと思いながらも、猫たちを預けたときに病院側に確認できず……。愛猫たちよりも、僕のほうがどぎまぎしていたことは間違いないでしょう。

病院からの連絡に安堵 しかし…

 病院に猫たちを預けている間は、何も手につきませんでした。執筆しなければならない原稿もあるのに、パソコンの前でいらぬ心配をして猫関連のウェブサイトをネットサーフィン。手術前日からの不安で寝不足にもなっていたので、いったんソファで仮眠しようとしても全然寝られず……。病院からの連絡を待ちわびるかのように、じっと自分のスマートフォンを見つめる時間が続きました。

 刻々と過ぎる時間。すると、1件のメールが届きました。それは病院からで、手術が無事に終わり、「午後6時半頃には引き取れるから病院に来て」と記されているではありませんか! 心底安堵した僕は、引き取り時間までまだ少し時間があったため、自宅でひとり、祝杯をあげました。

 その後、午後6時ぴったりに病院から電話が。喜び勇んでスマートフォンのボタンを押すと、けたたましい声で「あんた、いったいいつ猫たちを引き取りに来るのよ! もう、病院の玄関閉まっちゃったわよ!」と、愛猫たちを担当する女医さんがのたまったのです。こちとら引き取り時間は午後6時半って聞いて、ずっと身がまえてたんですけども……。そんな弁明を一切聞き入れてくれない電話口の女医さんは「はい! 10分で病院へ来るのよ! わかった? ガチャン」と一気にまくし立てて電話口から去っていきました。これはダッシュで駆け付けなくては!