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どうぶつ

ドイツで猫の去勢・避妊手術 術後のために用意すべきものは? 初体験に右往左往

公開日:  /  更新日:

著者:島崎 英純

愛猫たちとの対面 優しい女医さんに感謝

 光の速さで病院へ着くと、僕と同じような境遇で裏口に立たされた男性がいました。愛犬を引き取るらしいその男性とともに照明の落とされた病院内へ入り、僕は猫病棟のある2階へ。すると、女医さんが仁王立ちして僕を待っていました。「さあ、愛する猫様たちとの再会よ」と、にっこり笑う女医さんに誘われて、僕は彼らの待つ診察室へ。

 キャリーケースの中を覗くと、丸くなっている2人の姿がありました。なんと、サツキは病院が用意してくれた真っ赤なかわいい術後服を着ているではありませんか! そしてココロには透明のエリザベスカラーが巻かれていました。エリザベスカラーは猫の視界を遮ってしまうため、相当なストレスになると聞いていました。でも透明なものなら、それもずいぶん解消されるのだそうです。女医さんは僕に優しく説明してくれました。

「あなた、術後服を事前に買ったって言ってたわよね。それはとってもいいことよ。サツキの術後服はこれから10日間くらい着続けなきゃならないから、途中で洗濯する必要が出てくるの。だから、どこかのタイミングでこれを脱がせて、あなたが買った術後服を着させてね。2匹とも、患部を舐めさせたらダメよ。化膿したら大変だから。それと、患部を気にして痛がる素振りを見せたら、この痛み止めをごはんの中に混ぜて与えてね。たぶん2、3日すれば痛みがなくなると思うけど、猫は人間みたいに『痛い、痛い』って叫ばないので、注意深く観察してね。

 何かわからないことがあったら、いつでも電話してくればいいから。手術は成功したから、あとは2週間後にサツキだけ、抜糸のためにもう一度連れてきてね」

 賢明にメモを取る僕に対し、女医さんが言い聞かせます。初対面では「おそろしい……」と思っていましたが、この病院を選んで良かった~。家族全員(1人と2匹)で女医さんに平伏して、帰路に着いた僕らは、こうして初めての去勢・避妊の手術を無事に終えたのでした。

(島崎 英純)

島崎 英純(しまざき・ひでずみ)

1970年生まれ。2001年7月から2006年7月までサッカー専門誌「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画出版社刊)編集部に勤務し、Jリーグ「浦和レッドダイヤモンズ」を5年間担当。2006年8月にフリーライターとして独立。2018年3月からはドイツに拠点を移してヨーロッパのサッカーシーンを中心に取材活動を展開。子どもの頃は家庭で動物とふれあう環境がなかったが、三十路を越えた時期に突如1匹の猫と出会って大の動物好きに。ちなみに犬も大好きで、ドイツの公共交通機関やカフェ、レストランで犬とともに行動する方々の姿を見て感銘を受け、犬との共生も夢見ている。