菅野美穂さん主演のサスペンスドラマ「砂の塔～知りすぎた隣人」（TBS系）は2016年に放送され、タワーマンションを舞台にママ同士のマウンティング合戦などの「心の闇」を描いた内容で、当時話題となりました。似たような闇は、今もくすぶっているようです。タワマンに住み、2人の子どもを育てる30代女性にお話を伺いました。東京・中目黒で「コレカライフ不動産」を営む不動産のプロ、姉帯裕樹さんのアドバイスとともにお届けします。

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7年前に家族でタワマン低層階へ引っ越し

　東京都内のタワマンの低層階に家族で移り住み、今年で7年になるという田中ハルカさん（仮名・37歳）。夫と小学校高学年の長女、低学年の長男の4人家族ですが、夫は海外に駐在中。現在は子どもたちと3人で暮らしています。

　子どもたちは2人ともとても快活。とくに娘さんは学校でも人気者で、家にお友達を連れてくることが多くありました。そんなある日、同じタワマンの高層階に住んでいる、長女の同級生Aちゃんが遊びに来ていたときのこと。遊びの輪を抜け出したAちゃんが、ハルカさんに突然話しかけてきたそう。

　そして、自身の誕生日パーティーをハルカさん宅で行ってもらえないかというお願いをしてきました。驚いたハルカさんは理由を尋ねることに。すると、Aちゃんは困ったような顔をして「低層階に住んでいる子や、タワマンに住んでいない子は誕生日会に呼んだらダメ」と母親から言われたというのです。そのため、ハルカさん宅で誕生日会をさせてもらえれば好きなお友達を呼べるのではないかと思ったということでした。

長女の友達からのお願いに衝撃　闇を知る

　それを聞いたハルカさんは衝撃を受け、悩みに悩みました。Aちゃんのママが、低層階に住むハルカさんたちのことを見下していたことにもショックを受けたと言います。

　一方で、娘の友人関係を優先し、Aちゃんの願いを聞いてあげたいと強く思ったそうですが、保護者に相談もなく勝手に誕生日会を開くのはダメなのでは？　など、即決はできませんでした。

　思い悩んだハルカさんは、学校へ行き、担任の先生に相談。すると担任の先生は、娘さんとAちゃんの仲良しグループにもうひとり誕生日が近い子がいると教えてくれ、「合同誕生日会」を開くことを提案。ハルカさんはさっそくその子の母親と連絡を取り、バースデーパーティーを行うことになりました。

　当日はマンションのラウンジを借り、料理好きなハルカさんがおいしい手料理を振る舞いました。Aちゃんも、参加した子どもたちも大満足の様子だったそうです。

「結局Aちゃんのママからは、お礼の言葉のひとつもありませんでした（笑）。そういう人なのだと思って、とくにつきあうこともなく、放っておいています」