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参考にしてはいけない 昭和世代からの「お金のアドバイス」 新常識6選をFPが解説
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生まれ育った世代によって、価値観が違うことは多々あるものです。このところ変化が激しい「経済」や「お金」に関することは、とくに顕著なのかもしれません。日本ではようやく学校でもマネー教育が始まりましたが、とにかくこれまでは「お金の話は外ではNG」という風習がありました。そのため、お金の感覚は昭和世代の親から受け継がれたものが基本になっていませんか? しかしながら、時代はどんどん変化します。それはお金の世界も同様です。ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を持つフリーアナウンサーの橋浦多美さんが、お金に関する疑問に答えるこの連載。今回は、これからを生き抜くため「参考にしてはいけない親世代からのお金に関するアドバイス」と、「お金の新常識」を紹介します。
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1. 「貯金しなさい!」から「運用」する時代に
私自身も、子どもの頃から耳にタコができるほど言われたのは「貯金しなさい」の言葉。お年玉をもらったら「貯金したの?」と聞かれ、アルバイト代も「無駄遣いしないで貯金するのよ」。それは学生時代から、就職をしても言われ続けてきた言葉です。
「貯金=お金を無駄にせず貯める」こと自体は私自身も賛成ですし、まとまったお金はいざというときにとても大切な存在です。しかし今の時代、それだけで増えないのは、みなさんすでにご存じの通り。昭和の時代は、預貯金の金利が7~8%と信じられないほど高かったのですが、今は本当にわずかです。とくに最近は物価がどんどん上がっていますから、銀行にお金を置いているだけではどんどん価値が目減りしており、実質損をしている状態に。つまり「貯める」だけでは、NG。一歩進んで「増やす」が常識です。
2. 「投資は怖いからダメ」 それなら税制優遇のある商品から検討を
バブル崩壊を経験した人や、なんとなく記憶にある世代は「投資は怖いもの」というイメージが体に染み付いているのかもしれません。確かに、投資にはリスクがつきもので元本保証ではありません。
しかし裏を返せば、リターンが期待できるのは同じだけリスクがあるということ。投資は値動きがあるものですから、基本を理解して、自分のリスク許容度に合った商品を選択することが大切です。このところ国が推している「NISA」「つみたてNISA」「iDeCo」などは、税制優遇の観点から検討してみる価値はあるでしょう。また、いつの時代も、おいしすぎる話は投機的なものや詐欺の部類に入ります。しっかりと見分けられる知識も持っておくべきです。
3. 「現金が一番!」ではなくなった 「キャッシュレス」でないと損する時代に
かつては、わかりやすく無駄遣いしない方法として、現金で支払いをすることが主流でした。しかし、支払い時の手間や時間が省けるという電子払いの利便性、さらにお得なポイントの付与など、キャッシュレスにはさまざまな利点があります。ATM手数料の値上げもあり、今では、現金は不便でポイントを取り損ねるもったいない支払い方法に。一部の企業では給与デジタル払いが始まるなど、キャッシュレスが当たり前の時代になりつつあります。
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