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お金

参考にしてはいけない 昭和世代からの「お金のアドバイス」 新常識6選をFPが解説

公開日:  /  更新日:

著者:橋浦 多美

4. 「食費(変動費)をもっと節約!」より、まずは「固定費」の見直し

少しでも安いものを買う労力をかけるより、まずは固定費を見直してみては?(写真はイメージ)【写真:写真AC】
少しでも安いものを買う労力をかけるより、まずは固定費を見直してみては?(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 このところ続く食品の値上がりは、家計にとって痛いものです。値上げラッシュのなか、少しでも安い食材を買いたいと思う気持ちはわかりますが、限界を感じる日々ですね。食費も、できる限り安い店を選んだり、おつとめ品を買ったりするなどの努力が必要ですが、食費よりも固定費を削ることで継続的に節約ができます。

 狙い目は携帯電話などの通信費、保険料や車関連費などです。通信費は安いプランに変え、保険料は無駄をカットしましょう。車の場合は本当に必要かどうか、レンタカーやカーシェアなどで対応できるかなどを検討するのも手です。1円の安さを求め、スーパーマーケットをはしごして時間と労力を使うよりも、楽に継続的にできる節約です。

5. 「住宅ローンの繰り上げ返済」は慎重に

 夢のマイホームを購入して、30年、35年など長期の住宅ローンを組んでいる人もいるでしょう。変動金利の場合、今は1%以下の超低金利で借りている人が多いと思います。変動の場合、短期プライムレートを基準に金利が決められていて、金利の上昇に伴っての変動は考えられるものの、急激な金利の上昇は今のところ考えにくいものです。

 ですが、かつては金利が高い時代がありました。たとえば、1988(昭和63)年12月30日の旧住宅金融公庫の基準金利は4.4%でしたから、その時代に住宅ローンの返済を行っていた人は、金利が高いから少しでも早く返したいと繰り上げ返済を急ぎました。そのため、親世代から「少しでも早く返済」するようアドバイスされたことがあるかもしれません。今は低金利ですし、もし返済に回せるほどまとまった資金があるのであれば、ほかの金融商品で運用をするというのも手段です。繰り上げ返済を急ぐ必要はありません。

6. 「お金の話なんてやめて」はNG 親も子も「金融リテラシー」を高めることが大切

 みなさんの家庭で「お金会議」はしますか? かつては、家族の間でもお金の話はあまりしないことが主流だったと思います。「子どもの前でお金の話なんて……」という風潮があった家も少なくないでしょう。

 でも今は、お金の話は教育の一貫です。とくに、これからの時代を生き抜かなくてはいけない子どもは、できるだけお金の知識を身につけなければいけません。物の価値、お金の価値、どうやってお金を稼ぐか、貯めるもの、増やすもの、リスクとどうやって付き合うか。お子さんが小さいうちから、マネーゲームなどを取り入れながら覚えさせるのもいいかもしれません。お金の教育がマストな時代。お金や経済の話を、家庭にもどんどん取り入れていきましょう!

 お金の話に限らず、時代は変化するものです。柔軟に取り入れて、いろいろな時代の変化を楽しみましょう!

(橋浦 多美)

橋浦 多美(はしうら・たみ)

1973年11月3日、宮城県仙台市生まれ。フリーアナウンサー、ファイナンシャルプランナー。会社員からフリーランスに転身した時にお金の大切さを知り、勉強を始める。現在はファイナンシャルプランナーや宅建士、証券外務員などの資格を取得し、「しゃべれるファイナンシャルプランナー」として、セミナーやラジオにも出演。家計のモットーは「見栄は張らずに、財布が張る家計」。プライベートでは双子男児の母として、出費が一気に2倍になる教育費と格闘中。著書に「四畳半経済のススメ~コンパクトな家計を実現する87のコツ~」(ゴマブックス刊)などがある。