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仕事・人生

現役東大生に聞く 勉強を習慣化させるサイクル作りとは

公開日:  /  更新日:

著者:石川 遼

東京大学工学部物理学科4年生の鈴木潤さん【写真:石川遼】
東京大学工学部物理学科4年生の鈴木潤さん【写真:石川遼】

 小学生の頃から憧れていた東京大学(以下、東大)の受験に、一度は失敗してしまったものの、他大学での“浪人期間”を経て翌年に合格を果たした鈴木潤さん。現在は工学部物理学科の4年生で、東大ア式蹴球部(体育会サッカー部)にも所属し文武両道の道を突き進んでいます。現役東大生が実践してきた勉強法やマインドに迫るこの連載。今回は、鈴木さんにお話を伺いました。第1回は、中学受験や大学受験でどのように勉強に取り組んでいったのかをテーマにお届けします。

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自分に合った勉強法を見つけて苦手科目を克服

 鈴木さんは小学生の頃から理科が好きで、得意科目だったといいます。中学受験のために通っていた塾の好きな先生が、理科担当だったことが大きく影響しました。中学受験の志望校として駒場東邦中学校・高等学校を選んだのは、実験などに力を入れていて、理科に強い学校だったことが理由のひとつだそうです。

 漫画などの物語を読むのが好きだったこともあり、国語も得意科目でした。その一方で、コツコツとした計算が得意ではなかったため、算数に苦手意識が。また、社会は理科と反対で担当の先生と合わなかったこともあり、あまり熱心に取り組むことができなかったといいます。

 とはいえ、いざ受験ともなれば、苦手教科をそのまま放っておくわけにもいきません。克服するために、どのように向き合ってきたのでしょうか。

「算数は、昔からずっとセンスだけでなんとかしようとごまかしていたのですが、やはりそれでは成績があまり伸びませんでした。なので、中学受験の塾の志望校別コースに入った頃からはしっかりと復習ノートを作り、過去問題や模擬試験の解き直しを何度も何度も繰り返しました」

 しかし、社会は一筋縄ではいかなかったそう。

「実は、社会担当の先生のことがあまり好きではなく『勉強なんてしてやるか』って感じだったんです……(笑)。でも、偏差値がどんどんと下がってきていよいよ焦っていた頃、親が勉強のために学習漫画を買ってくれたんです。もともと漫画を読むのは好きでしたし、物語になっていると、苦手な社会でも自然と覚えることができました」

 鈴木さんは、このような自身の経験をもとに「受験では自分に合った勉強法を見つけられるかどうかが肝」だと語ります。

「コツコツと地道にできる人は、見つけなくても自然と学力も上がっていくと思いますが、僕の場合はそうではありませんでした。コツコツというよりは、ダッシュを何回も繰り返しながら進んでいくような感じです。でも、それが自分には合っていました。それこそ、理科の実験のようにいろいろと試しながら、自分に合った形を模索していたんです」

 成績が思うように伸びないときは一度立ち止まり、自分に合った勉強のスタイルを見直してみることが、解決の糸口になるのかもしれません。