仕事・人生
現役東大生に聞く 勉強を習慣化させるサイクル作りとは
公開日: / 更新日:
自分ひとりではない 先生や友人の存在で“強制的”に習慣化
しかし、自分に合った勉強法が見つかったとしても、どこかでついサボってしまうなど、ゆるみは出てしまうものだと思います。そんなとき、鈴木さんは“強制力を外部に頼る”ことで勉強を習慣化するサイクルを作ったといいます。勉強することを自分ひとりで完結させず、周囲の人の存在を継続の力に変えていきました。
「僕の場合、算数は塾の先生にチェックしてもらうという制約を課すことで、無理矢理にでも習慣化させるようにしました。自分ひとりでは難しいことでも、外部の人に頼むことで“強制力”を持たせることができるようになると思います」
漫画の教材を取り入れることで少しずつ学力を伸ばしていった社会も、担当の先生が変わったことが追い風になって、よりいっそう勉強に力を入れることができたといいます。
鈴木さんは「改めて思うと、本当に人と人との関係で勉強してきたっていう感じです」と話します。いつも優しく見守ってくれていたご両親や担当の先生方はもちろん、切磋琢磨する友人の存在も重要だったといいます。それは大学受験にも通ずるものでした。
友人とゲーム対戦のような感覚で楽しみながら学習も
高校1年生の夏の模擬試験を経て、東大受験を決意した鈴木さんは「高校3年生の夏に、ものすごく勉強したのを覚えています」と当時を振り返ります。塾がある日は授業のあとに自習室で夜まで、塾がない休日も自宅近くのカフェで、朝から夜まで10時間以上も勉強に励んでいたそうです。
「僕はごはんを抜いて、お腹が減った状態で勉強をするのが好きだったんです。空腹状態を耐えて、耐えて……。まるでサウナのような感じです(笑)。友達と一緒に勉強をしにいくときはもちろん食べていましたけど、僕のほうからごはんの話題を切り出すことは絶対になかったので、いつも午後3時頃になると友達が先に折れて『ごはんに行こう』って(笑)。そうやって、ゲームで対戦するかのように楽しみながら勉強をするのが僕の性に合っていた感じがします。勉強時間を競うアプリも使っていました」
負けず嫌いな性格もあり、友達と競い合うように勉強することで学力向上につながっていたという鈴木さん。ときには、自らを極限状態に追い込むことでモチベーションを高め、受験勉強と向き合っていたようです。残念ながら一度で東大合格は叶いませんでしたが、こうした受験期の勉強への取り組みが、鈴木さんの再チャレンジに大きく役立ちました。
<続く>
(石川 遼)