からだ・美容
家でも靴下をはく習慣を かかと美人になるお手入れ術 医師が解説
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教えてくれた人:佐藤 卓士
そろそろサンダルやミュールの季節。これまで隠れていたつま先やかかとが人目に多く触れます。とくに悩ましいのが、かかとのガサガサ。季節を問わずかさついて、ときにはひび割れることもありますよね。ツルツル、スベスベのかかとにするにはどうしたらいいのでしょうか。気になっているけれど、正解がどうもわからないという健康や美容の疑問を医師が解説する連載。今回は、かかとのケアについて美容形成外科の佐藤卓士医師に伺いました。
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もともと乾燥しやすい足の裏 肌を守るために角質が厚くなりがち
足の裏には皮脂腺がありません。汗腺があるので湿って潤っているように感じますが、皮脂膜を作ることができないため水分は蒸発していき、乾燥しやすい状態です。
足は心臓から遠く血のめぐりが悪いため、ほかの皮膚に比べてターンオーバーが遅いパーツです。乾燥を放っておくとさらにターンオーバーが遅くなり、古い角質が蓄積されて角層が厚くなります。
立っているときはかかとに全体重がかかるため、常に刺激を受けています。歩行することで摩擦ダメージも受けますので、皮膚の防御反応が働いて硬くなっていきます。
厚く硬くなった状態を「角質肥厚」といいます。このガサガサ、カチカチをさらに放置しておくと、体重が衝撃となりひび割れが起きるのです。
加齢もガサガサの原因のひとつ。年齢を重ねるとともに新陳代謝が鈍くなりますから、角質がたまって角層が厚くなりやすいのです。
ガサガサする前に保湿ケアを徹底する
かかとのガサガサは乾燥が一番の敵です。入浴後、保湿をしないままでいると、足裏には皮脂膜がないので水分がどんどん蒸発していきます。ボディクリームを塗るときに、足裏も忘れないようにしましょう。
すでにかかとがガサガサ、カチカチになっている人は、角質をやわらかくする効果がある尿素配合のクリームを使うといいでしょう。また、足は血のめぐりが悪いので、血行を促すビタミンE配合のクリームもおすすめです。クリームを塗るときに、足のマッサージをするのもいいですね。
極力素足で過ごさないこと 摩擦からかかとを守って
前述の通り、足裏は皮脂腺がないため、皮膚を外部刺激から守るバリア機能の働きが弱いパーツです。裸足でいると外気に触れ、水分が蒸発していきます。
また、家の中を歩くだけでも床との摩擦がありますから、刺激を受けて角層が厚くなっていきます。入浴後、せっかく保湿をしても裸足でペタペタと歩いていると保湿剤が取れてしまいますし、刺激も受けガサガサを招いてしまうのです。
家でも靴下をはく習慣をつけることで、ガサガサ予防になります。靴下はコットンやシルクの天然素材がおすすめです。
ガサガサ予防には靴選びも大切です。サイズが合わない靴を履いていると、かかとへのダメージが大きくなります。クッション性のない靴もダイレクトに衝撃を受けるので、避けたほうがいいでしょう。夏のサンダルは底が薄いものもありますので、できるだけ靴底に厚みがあり、クッション性のあるものを選んでください。