からだ・美容
家でも靴下をはく習慣を かかと美人になるお手入れ術 医師が解説
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教えてくれた人:佐藤 卓士
ゴシゴシ削りすぎるのは厳禁! 少しずつ優しく削ること
厚くなったかかとのケアは、専用のヤスリで削るのがいいでしょう。ただし、乾燥した状態でいきなりゴシゴシと力強く削ってはいけません。
お風呂に浸かり、硬くなった角質をやわらかくします。ここで削る人もいますが、これもNG。水分を含んでふやけた状態なので、削りすぎてしまう恐れがあります。お風呂ではたっぷりの泡で洗い、汚れを落とすだけにしてください。
入浴後、乾き切る前の水分が少し残っている状態で削りましょう。目の細かいヤスリを使い、力を入れずに優しく削るのがポイントです。
削ることが気持ち良くて、ついついやりすぎてしまう人もいますが、肌トラブルのもとです。頑固なガチガチも、一度ですべて削ろうとせず、日を開けて数回に分けて行いましょう。定期的にケアをする場合も、週1~2回が目安です。
ひび割れたところから手で皮膚をむしるのはNGです。皮膚が厚くむけやすく、傷付いてしまいます。ヤスリを使う場合も、目に見えない細かい傷ができていることがあり、そこから菌が入って炎症を起こすこともありますので注意してください。
削ったあとは、クリームでしっかり保湿をして、靴下をはいて保護してください。
乾燥だと思っていたら水虫だったことも
毎日保湿をしても改善せず、白く粉をふいたような状態が続くのであれば「かかと水虫」の可能性があります。
水虫というとかゆみがあったり、じくじくしたりするものと思うでしょう。しかし、かかとにできる水虫はかゆみがないこともあり、乾燥でガサガサしている状態と似ているため気づかない人がいます。
水虫は白癬菌(はくせんきん)というカビの一種が皮膚にすみついて起こる皮膚の病気です。温泉施設やジムなど裸足になる場所で感染しやすく、自分が人にうつすこともありますので、早めのケアが必要です。
保湿ケアをすればかかとのガサガサは改善されます。2週間経っても治らない場合は皮膚科を受診しましょう。
(岩淵 美樹)
佐藤 卓士(さとう・たかし)
1970年4月7日生まれ。九州大学医学部卒。岡山大学医学部、杏林大学医学部、都立大塚病院形成外科にて研鑽を積む。医学博士、日本形成外科学会認定専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本美容外科学会、日本レーザー医学会、日本手外科学会、日本創傷外科学会に所属。2018年よりアヴェニュー表参道クリニック院長として、形成外科・皮膚科で学んだ知識と経験を基にわかりやすい説明を心がけ、日々診療を行う。