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旬のビワをコンポートに 米在住ナチュラリスト直伝 コンポートの簡単レシピ

公開日:  /  更新日:

著者:小田島 勢子

保存のアイデアはとても大切 塩分や糖分などがカギに

 ビワの葉はよく洗い、干してお茶にします。旬の野菜やフルーツは、一度にたくさんの収穫となることが多いもの。そのため、季節の恵みを長くおいしくいただくためには、育てることと同じくらい保存のアイデアが欠かせません。これは、本格的な自給自足の生活をする人に限ったことではないのです。

 保存には、温度や酸素の環境以外に塩分や糖分、酸度、アルコール濃度、発酵菌と上手につきあっていくことがカギになります。収穫後、大ぶりのものは新聞に包んで涼しい場所で保管。小ぶりのものは、今回はコンポートにして保存します。

子どもたちと豊作のビワを愛でる【写真:小田島勢子】
子どもたちと豊作のビワを愛でる【写真:小田島勢子】

○ビワの簡単コンポート

ビワ   500g
きび砂糖、またはお好みの甘み 200g
水    300ml
レモン汁 小さじ2

1. ビワは皮をむき、半分に切る。中の種を取り除き、水(分量外)を張ったボウルに入れる
2. きび砂糖と水、レモン汁を鍋に入れて、焦げないように弱火にかけシロップを作る
3. 砂糖が溶けたら、ザルなどでしっかりと水気を切ったビワを入れ、10分ほど弱火で煮る
4. ビワが熱いうちに、煮沸消毒などをした清潔な瓶に入れる。汁をビワが浸るまで入れ、すぐにフタを閉める。温度が下がったら冷蔵庫へ。

 保存期間は冷蔵庫で約2週間。それ以上保存したい場合は、冷凍庫へ入れれば半年はもちます。使うときは、自然解凍してからビワゼリーにするのがおすすめです。

子どもたちも収穫や保存をお手伝い ささやかで幸せな日々

 私は、収穫やその後の保存作業を子どもたちと行っています。旬の季節がある梅干しやみその下ごしらえなどは、一度に大量仕込みになるので、子どもたちの手伝いはとてもありがたいです。

 我が家では、子どもが手伝いをする時間はフェアトレード制。1時間あたりのおこづかいで交渉することもありますし、目標の時間を設定して達成することで子どもたちが希望するものを購入することもあります。

 みんなの指先がアクで茶色に染まる頃、お昼ごはんにおそばを食べます。庭から摘んできたヨモギやキノコは、バーベキューのコンロを使い庭で天ぷらに。毎日ではないけれど、ささやかながらこんな日があると、とても幸せな気持ちになります。

(小田島 勢子)

小田島 勢子(おだしま・せいこ)

ナチュラリスト。結婚を機に2004年に南カリフォルニア州へ移住し、3人の女の子を米国で出産。ロサンゼルスの片田舎でバックヤードに鶏たちと豚のスイ、犬のトウフとともに自然に囲まれた生活を送る。母になったことをきっかけに食や環境の大切さを改めて感じ、できることからコツコツと、手作り調味料や発酵食品、スーパーフードやリビングフードを取り入れた食生活をメインに、食べるものは「できるだけ子どもと一緒に作る」「残さない」がモットー。2015年に「RUSTIC」を設立。日本で取得した調理師の知識や経験を生かして食のアドバイザー、ライフスタイルのコーディネーターとして活動。日米プロスポーツ選手やアクション映画俳優の身体作りのアドバイザー、みそ、お酢、漬け物など発酵食品作りの講師、創作料理のケータリングなど幅広い分野で活躍。
https://rusticfarmla.com/