どうぶつ
ドイツで暮らす元保護猫2匹の食事情 “グルメ舌”が招いた結末とは
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人間と同じように、動物にも食の好みがあります。サッカーライターの島崎英純さんは、ドイツでともに暮らす2匹の愛猫が好む味を探るために試行錯誤。幼い頃から同じものを食べて育ってきたはずの2匹ですが、食の好みははっきりと分かれたようです。さまざまなウェットフードを試すなかで見つけた、愛猫の意外な一面とは?
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ウェットフードがたくさん売られている背景には飼い主の思いが
ドイツでともに暮らす元保護猫で男の子の「心(ココロ)」と、女の子の「皐月(サツキ)」は、1歳の誕生日を迎えました。ココロとサツキはドイツ郊外の田舎の農家さんから譲り受けた猫ですが、実はそれぞれ母猫が違います。その農家には2匹の母猫がいるそうで、父猫が誰なのかはわからないけれど、ほぼ同時期に妊娠して子どもを生んだそうです。引き取るとき、“ふたり”の誕生日を教えてくれました。
「この白黒の子(ココロ)は5月16日生まれね。そして、このサバトラの子(サツキ)は5月7日。ふたりとも5月生まれだけど、サバトラの子のほうが“お姉ちゃん”よ」
そんなココロとサツキは、成猫に近づくにつれて食事の好みが変わってきました。ドイツにおける猫の食事情は、ほぼ日本と変わらないと感じています。キャットフードは、日本でも販売しているメーカーのものをよく見かけます。
またドイツで猫を飼っている人は、「猫にいろいろなものを食してほしい」という思いからウェットフードを与えることが多いそうです。そのため、ペットショップへ行くと猫用のウェットフードがたくさん売られています。
多種多様なドイツ製のキャットフード 2匹のお気に入りは?
ドイツ製のキャットフードも当然、猫の健康に留意した食材や栄養素をもとに作られているものばかり。購買者もその点を評価基準にして、フードの選択をしているそうです。このあたりも、日本と変わらないですよね。
キャットフードの食材は、日本と同じく多様です。鶏肉やマグロなどのノーマルなものから、牛肉や鴨肉、七面鳥、子羊、マス……はたまた野菜類のカクテルなど。さらに、「もも肉、むね肉」など、使用している部位も明記されていて、どれを選んだらいいのか目移りしてしまいます。
一方で、1歳になるまでの子猫用のキャットフードは、種類が限定されています。そのため、当初はココロとサツキには鶏肉を原料とするフードを与えていました。しかし、「子猫の時期に決まった食材のものだけを与えていると、成猫になったときにほかの食材を好まなくなる」というアドバイスをいただき、生後10か月の頃からまずはウェットフードだけはいくつか種類を変えてみることに。
まずは牛肉のフードを与えると、ココロもサツキも完食! 2匹とも、高級食材には目がないようです。ちなみに牛肉といっても、ほかの食材のものと値段はそれほど変わりません。続いてはサケに挑戦。いわゆるサーモンは、ドイツで暮らす人間も好んで食する魚類のひとつです。そのあたりの風習も加味されてなのか、キャットフードもサケを素材としたものがとても多いです。2匹も喜んで食べてくれると思いきや、サツキは完食したものの、ココロは口すら付けませんでした。