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どうぶつ

ドイツで暮らす元保護猫2匹の食事情 “グルメ舌”が招いた結末とは

公開日:  /  更新日:

著者:島崎 英純

ウェットフードの食材は牛肉に限定することに

 七面鳥のフードならココロも食べてくれるかもしれない……そんな淡い期待を胸に、フードを皿に盛りつけました。七面鳥は日本ではクリスマスのときなどに目にする食材だと思いますが、ドイツのスーパーマーケットでは日常的に食べられ、簡単に手に入ります。鶏肉よりも若干噛みごたえがある感じですが、深みのある味わいが特徴です。果たして我が家の猫たちは気に入ってくれるのでしょうか。

 サツキはまたしても完食! 食した後に舌をぺろりと出して、「まだまだイケるわよ」というような仕草を見せていました。一方のココロは、七面鳥もお気に召さない様子でした。

 猫は魚が好きなイメージがありますが、もともとは肉食動物で、魚よりも肉を好んで食べるといわれています。厳密には生後3か月から4か月くらいの間で頻繁に食したものを好みとする傾向があるようで、その意味では、生後10か月ほど過ぎたココロとサツキはすでに好きな食材が決まっているのかもしれません。

 その後、サツキはどんな種類でもほぼ完食しましたが、ココロはほぼ食べないという結果になりました。さらに、ココロは牛肉の味を知ってから、鶏肉のフードにも口を付けなくなってしまうという事態に。いつもはおおらかなココロですが、食に関してはかなりナイーブな一面があることがわかりました。

 こうして、我が家の猫たちが食べるウェットフードの食材は牛肉に限定されることになりました。好きなものをたくさん食べて、いつまでも元気でいてほしいと願うばかりです。

(島崎 英純)

島崎 英純(しまざき・ひでずみ)

1970年生まれ。2001年7月から2006年7月までサッカー専門誌「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画出版社刊)編集部に勤務し、Jリーグ「浦和レッドダイヤモンズ」を5年間担当。2006年8月にフリーライターとして独立。2018年3月からはドイツに拠点を移してヨーロッパのサッカーシーンを中心に取材活動を展開。子どもの頃は家庭で動物とふれあう環境がなかったが、三十路を越えた時期に突如1匹の猫と出会って大の動物好きに。ちなみに犬も大好きで、ドイツの公共交通機関やカフェ、レストランで犬とともに行動する方々の姿を見て感銘を受け、犬との共生も夢見ている。