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東大受験で塾には通わない 勉強量は自分で管理 目からウロコのノート活用法

公開日:  /  更新日:

著者:石川 遼

ノートのレイアウトにこだわりがたっぷり

2週間ごとのToDoリスト【写真提供:吉田恵梨】
2週間ごとのToDoリスト【写真提供:吉田恵梨】

 受験まで1年を切ったタイミングで訪れた空白の期間。そうしたなかで、東大合格へのモチベーションを失わないために欠かさなかったのが、目標達成のための指針となる2週間ごとのToDoリスト作成と、ノートを使った学習記録だったそうです。

「あらかじめ月の目標を立てていました。目標は短期と長期に分けており、それを達成するために2週間ごとのやることリストを作っていましたね。時間割というよりは、どの参考書をどれくらい進めるのかというようなことを紙に書き出していました。目標はあえて自分のキャパシティよりも高く設定して負荷をかけるようにしていたので、もちろん目標を達成できないこともたくさん。達成できなかった分は次の2週間に回すことになるんですけど、週の1日くらいは空き日を作っておいて、そこで補えるように組み立てていました。自分のなかでは、これが受験勉強のペースメーカーのようになっていたと思います」

学習記録をメモしたノート【写真提供:吉田恵梨】
学習記録をメモしたノート【写真提供:吉田恵梨】

 吉田さんはこのように計画を立て、それに沿って勉強を進めていくのと同時に、学習の進行度を記録するためのノートも作っていたそうです。

「そうやって記録したり、整理したりするのが楽しくて好きだったんです」

 記録ノートのレイアウトにもこだわりがみられます。

「まずノートの1ページを縦に4つ折りにして、見開きで8つに分けます。そして一番左の欄に参考書の名前を書き、残りの7つに1週間の曜日を割り振って、カレンダーのようにします。横軸で参考書をどれくらいやったかを書き込んでいくと、どれだけ進んだかがひとめで確認できるようになるんです。ページを進めても、左端を折れば参考書の名前が確認できるようになっています。すごくおすすめのやり方ですけど、周りにやっている友達はいなかったです(笑)。見開き1ページで1週間分なので、1年で1冊を使い切るようなペースだったと思います」

 教科別に学習時間をグラフにしたり、そのとき感じていたことをひと言コメントとして残すことで、振り返ったときに確認しやすくなる工夫が施されていました。

「やれることはなんでもやるしかない」

 前回は、アウトプットの効率を高めるためにホワイトボードを使った勉強法を取り入れていたと話していた吉田さん。これまで受験のために塾へは通わず、独学で合格を勝ち取りました。ホワイトボードも記録ノートも、人からのすすめで始めたわけではなかったそう。東大受験の正攻法がわからなかったからこそ、試行錯誤を繰り返す必要があったのだといいます。

「(高崎女子高校は)毎年、東大生が出るような高校ではなかったので、学校にノウハウがあまりなかったんです。なので、焦りというか『普通にやっていたら受からない』と思っていました。東大に行きたいと思っても、誰も引っ張ってくれるわけじゃない。そう自覚したら、もうやれることはなんでもやるしかありませんでした。主体的にならざるを得なかったというのが正しいでしょうか。たとえば、過去問題集に記述式の問題があれば添削が必要だったので、そういうときは学校の先生に自分から頼んで添削をしてもらっていました。自分で始めたことですが、先生方は惜しみなくサポートしてくださいました。そういった環境もあり、思いきり頑張れたのだと思います」

 道がなければ、自ら切り開く。そうした主体性はまさに、東大が学生に求める重要な資質と言えるでしょう。

(石川 遼)