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鳥のフン掃除はシトシト雨の日が向いている理由 除去時の注意点とは プロが解説

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:伊藤 まき

鳥のフンにはさまざまな菌が含まれるため、掃除には注意が必要(写真はイメージ)【写真:写真AC】
鳥のフンにはさまざまな菌が含まれるため、掃除には注意が必要(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 ツバメやスズメ、ヒヨドリ、ハト、カラスなど街でよく見かける鳥たちが、繁殖期を迎える5~8月。軒下や屋根の隙間、庭木の洞などに巣を作ることがあります。雛鳥たちが育っていくのを見るのは楽しいものですが、注意したいのは鳥たちが落とす「フン」。フンにはさまざまな病原菌が含まれていて、なかにはヒトに感染し、肺炎や気管支炎、食中毒など怖い症状を引き起こすことも。「フンをきれいに掃除するなら雨が多い今の時期が向いている」と、掃除のプロ・伊藤まきさんは語ります。その理由と、フンの掃除の仕方を教わってみましょう。

 ◇ ◇ ◇

フンの掃除する際はマスクと手袋が必須

 日本では鳥が巣を作ることは縁起が良いものとされてきましたが、鳥たちが落とすフンには、鳥インフルエンザやサルモネラ食中毒などさまざまな病の原因になる菌が含まれている恐れがあります。また、鳥のフンには、コンクリートや金属を腐食させる原因となる成分が含まれているため、家屋やガレージの劣化を早めてしまう可能性も。鳥のフンを見かけたらできるだけ速やかに掃除をすることが、家族の安心につながることを覚えておいてください。

 ただし、日本には鳥獣保護法という法律があり、行政の許可なく勝手に卵や雛がいる鳥の巣を壊したり駆除したりすることができません。雛が巣立つまで温かく見守りつつ、マメに掃除を行いましょう。

 フンの掃除をする際は、必ずマスクと手袋(ビニール製、またはゴム製の厚手のもの)を着用します。また、フンの粒子が舞い上がりにくい、湿度が高い日に掃除を行うことも有効な手段です。

古い布やキッチンペーパーで掃除 使い回しはNG

 雨が続く梅雨どきはフンが完全に乾くまでにはとくに時間がかかるので、キレイに洗い落とすのに最適な季節ともいえます。雨がシトシトと降っていて風がない日は、絶好のフン掃除日和です。

 掃除の手順としては、まず、フンが付いている部分に少量の水をかけて湿らせます。続いて、使い捨てできる古い布やキッチンペーパーで拭き取りましょう。

 すでに乾いてしまって落ちにくい場合は、湿らせたキッチンペーパーをかぶせ、時間を置いてふやかすと落としやすくなります。また、フンを拭った布やペーパーは絶対に使い回さず、こまめにビニール袋に捨てるようにしてください。

 フンを掃除し終えたら、アルコール除菌スプレー(エタノールスプレーや、次亜塩酸なトリムが入った消毒剤など)をかけ、菌類を除去すれば完了です。床材によっては、こうしたスプレーにより変色や変質してしまうこともあるので、目立たない部分で試してから行うと良いでしょう。

(和栗 恵)

伊藤 まき(いとう・まき)

整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
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