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レジ袋有料化、3年経つもいまだに「賛否両論」 意見分かれる背景にあるもの
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有料化に関するクレームを受けたことがある人は4割以下
続いて、実際にクレームを受けたことがある小売業従事者がどれくらいいるのか調べるため、経験の有無を聞きました。すると「ない」が6割超で多数派に。
さらに、実際に受けたことがある具体的なクレームの内容を聞いたところ、一番多かったのが「レジ袋が無料で欲しい」でした。
有料化に関するクレーム 今後は下火に?
有料化開始時に懸念されていたクレーム問題。結果を踏まえ、クレーム対応のコンサルティングなどを行う企業危機管理のリーディングカンパニー、株式会社エス・ピー・ネットワーク総合研究部上席研究員の森田久雄さんに伺いました。
――実際にレジ袋の有料化に関してクレームを受けたことがある小売業従事者は、4割足らずとなりました。この結果にどのような印象を受けましたか?
「思っていた以上に少ない感じがします。現状の数値からすると、諦め感が消費者にあるのかもしれません。また、クレームを抑えた要因のひとつとして、エコバッグの急速な普及も一役買っているのではないでしょうか。昨今のエコバッグは高いデザイン性や豊富なサイズを取りそろえたり、売り場の中で埋もれることのないようにレジ付近へ陳列されたりするなど、販売店側の対策が功を奏しているのではないかと考えます。これからもデザイン性に富んだ製品が出てくれば、クレームの数も徐々に下降していくのではないでしょうか」
――お店側の対応の準備も、その背景にあるのでしょうか?
「レジ袋に関わるクレーム対応は、まずレジ担当者が一次対応に当たると考えられます。ほかのお客様を待たせながらの対応、とくに夕方の店内が混み合う時間帯においては、大変苦労を強いられているものと思われます。クレームはいつどのような方から発せられるかわかりませんので、事前に想定しておくことでスムーズな対応につながるでしょう。このようなクレームが増加するという事前の予測により、対応方法を考えている方が多いのではないかと思います」
――「レジ袋が無料で欲しい」以外の不満を見て感じたことは?
「もっとも少なかった『袋のサイズに関しての不満』は、消費者自身が必要な枚数をカゴに入れて商品と一緒に精算する流れにしている店舗が多い印象を受けます。この場合、消費者が自分で必要な枚数を取り精算する前提ですので、たとえ枚数が少なくても、それは消費者自身の判断による結果となり、文句を言いにくい状況になっているのかもしれません。このようなオペレーション上の工夫も影響しているものと考えられます」
※この記事は、「Hint-Pot」とYahoo!ニュースによる共同連携企画です。
(Hint-Pot編集部)