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掃除の“死角”・ベランダ プロが教えるまず確認すべきこととは

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:伊藤 まき

汚れが溜まりがちなベランダ。掃除のコツとは(写真はイメージ)【写真:写真AC】
汚れが溜まりがちなベランダ。掃除のコツとは(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 暮らしのなかで、ついつい掃除を後回しにしがちな場所のひとつにベランダがあります。ベランダ掃除なんてササッと水をまいて、ゴシゴシ磨いてしまえばいいのでは? と思われがちですが、雨風や紫外線など自然にさらされ、思いもよらない汚れが溜まっているもの。この汚れを放置してしまうと、大雨が降った際に汚れが拡大してしまうこともあります。どう対処すればいいのか、掃除のプロ・伊藤まきさんにお話しを伺いました。

 ◇ ◇ ◇

掃除の前にベランダの防水具合を要確認

 マンションやアパート、戸建て上階に設けられているベランダは、通常なら数年に一度掃除されればいいほど、掃除の“死角”になっています。

 掃除をしないでいるうちに、枯れ葉や鳥のフン、排気ガス、洗濯物から出た糸くずなどさまざまなものが溜まります。気づいたときにはドロドロに汚れていた……なんてことが起きてしまうのです。汚れをそのまま放っておくと、台風で大雨が降った際に汚れがはね、外壁や窓ガラスに汚れが付着する原因になってしまいます。

 さて、ベランダに関して言えば、単純に水と洗剤で洗えばいいというものではありません。必ず確認してほしいのがベランダの防水具合です。

 現在、多くのマンションではベランダに防水加工が施されていますが、古いマンションやアパート、戸建て住宅は加工されていないことが多く、大量に水をまいてしまうと予期せぬ場所に水が入り込み、壁や柱を傷めたり、階下に漏水したりすることがあります。

 掃除の前に、必ず防水加工されているかを確認しましょう。コンクリート打ちっぱなしのベランダや、木材が使われているベランダなどは加工されていない確率が高いです。

 さて、防水されているベランダであれば、まずは枯れ葉など大きなゴミを取り除きましょう。その後、重曹やセスキ炭酸ソーダ、クエン酸など環境に優しい汚れ落としを溶かした水を使い、デッキブラシなどでこすりながら汚れを落とします。

 大きな道路に面している家は、排気ガスによる油汚れが付いていることが多いもの。重曹で落ちない場合は、アルカリ性の洗剤を薄めて使うのもいいでしょう。

 防水されていないベランダは、同様に大きなゴミを取り除いたあと、水で濡らし細かくちぎった新聞紙をまき、砂や泥、細かいホコリを吸着させます。あとはほうきで回収するだけです。取り除けなかった鳥のフンやカビ、苔などは濡らして固く絞った雑巾などを使い、丁寧に掃除を行いましょう。

 なお、ベランダや屋根の下に鳥の巣を作られてしまっている場合は、むやみに取り除かず、自治体に相談を。巣の中に卵や雛がいた場合、鳥獣保護法により巣の撤去が禁じられているところを許可なく撤去すると、懲役刑や罰金刑に課せられることがあります。

(和栗 恵)

伊藤 まき(いとう・まき)

整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
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