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納豆と生卵の食べ合わせが悪いのは本当か 「ひきわり」と「粒」の違いも 栄養士に聞いた
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教えてくれた人:和漢 歩実
納豆というと、その形状から「粒納豆」と「ひきわり納豆」に大きく分けられます。栄養価などに違いはあるのでしょうか? また、納豆は薬味を合わせるとよりおいしくなりますが、好相性な食材とは。7月10日の「納豆の日」にちなみ、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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ひきわり納豆は、粒納豆を刻んだものではない
納豆に使われている大豆は「畑の肉」と言われるほど、栄養価の高い食品です。納豆は蒸した大豆に納豆菌を加えて発酵させたもので、発祥にはさまざまな説が。広く庶民に食べられるようになったのは江戸時代といわれており、みそ汁に入れて食べるのが定番だったようです。現代ではヘルシー志向の高まりから、ますます注目度がアップしています。
――納豆といっても、粒の大きさや形状など違いがあります。どんなものに分けられるのでしょうか?
和漢さん(以下、同)「日本食品標準成分表では納豆を、糸引き納豆、ひきわり納豆、五斗(ごと)納豆、寺(てら)納豆の4つに分類しています。大豆の種類や粒の大きさではなく、作り方の違いで分けられています。糸引き納豆は、蒸した大豆に納豆菌を加えて発酵させたもので、店頭でよく見られる糸を引く粒納豆のことです。大粒や小粒など粒の大きさや、黒豆など大豆の品種が違う種類のものがあります。ひきわり納豆は糸引き納豆の一種です。五斗納豆は、糸引き納豆に米麹と塩を加え、発酵熟成させたもの。また寺納豆は、大豆から麹を作り塩水を加えて熟成乾燥させたもので、黒っぽい見た目と糸を引かないのが特徴です。浜納豆とも言います」
――そうするとひきわり納豆は、糸引き納豆、つまり粒納豆を細かく刻んで作ったものなのでしょうか?
「いいえ、ひきわり納豆は、発酵した粒納豆を細かく刻んだものではなく、発酵させる前の大豆を砕き、皮を除いてから発酵させたものです。一般的な糸引き納豆(以下、粒納豆)は大豆に納豆菌をつけて発酵させますが、ひきわり納豆は大豆を砕いた後に納豆菌をつけて発酵させます。そのため納豆菌が付着する表面積が増え、通常の粒納豆とは味わいや栄養価が異なります」