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納豆と生卵の食べ合わせが悪いのは本当か 「ひきわり」と「粒」の違いも 栄養士に聞いた
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教えてくれた人:和漢 歩実
ひきわり、粒で栄養価の特徴も 相性の良い食材は?
――粒納豆とひきわり納豆。栄養価では、どのような違いがあるのでしょうか?
「納豆1パック(50グラム)でみると、粒納豆は95キロカロリー、ひきわり納豆は92キロカロリーとあまり変わりません。納豆に含まれる注目成分としては、血栓予防のナットウキナーゼ、体を構成する良質なたんぱく質、整腸作用に期待できる食物繊維、骨の健康を助けるビタミンKとカルシウム、エネルギーの代謝を促すビタミンB2があり、どちらにも含まれています。栄養価でみると、食物繊維とビタミンB2、カルシウムは粒納豆の方が多く、ビタミンKについてはひきわり納豆のほうが多くなっています」
――味や食感にも違いはあるのでしょうか?
「粒納豆は、大豆の食感や歯ごたえを感じることができます。よく噛んでいただきましょう。ひきわり納豆は、皮が取り除かれているため、納豆本来の旨みを強く感じられます。皮がない分、やわらかく消化も良いので、高齢者や子どもにはひきわり納豆のほうが食べやすいかもしれません」
――納豆と生卵は食べ合わせが悪いと聞くことがあります。
「生卵に含まれるアビジンと納豆に含まれるビオチンが関係していると言えます。ビオチンは、皮膚や爪、髪を健康に保つといわれ、美容に良いとして近年注目されているビタミンB群です。タンパク質の一種アビジンはビオチンと結合する性質があり、ビオチンの吸収を妨げるとされています。このことから、相性が良くないと言われているのでしょう。ビオチンの吸収を妨げるといっても健康に悪影響があるわけではないので、食べ合わせが悪いとはいえないと思います」
――粒納豆にしても、ひきわり納豆にしても、どんな食材と合わせて食べるのが良いでしょうか?
「血液サラサラ成分で知られる硫化アリルを含む長ネギや、納豆にはないビタミンAを含むシソなどを薬味としてプラスすると良いですよ。またキムチやザーサイなどの発酵食品をプラスすると、さらに整腸作用がアップする効果に期待できるでしょう。食物繊維が豊富なオクラや消化酵素が含まれる長イモなどのネバネバ野菜もおすすめです」
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾