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お金

手取り10万円台で貯金するための最初の一歩 お金を“見える化”するコツを聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:板倉 京

通帳と財布の中身を定点チェック

 お金の“見える化”でもうひとつおすすめなのが、通帳の残高把握です。

「今までお金のことなんて考えたこともない」という人は、通帳の残高やお財布にいくら入っているかを知らないのではないでしょうか。「通帳記帳なんて何年もしていない」という人もいるでしょう。しかし、それだとお金は貯まりません。“貯め体質”になるため、体重を毎日測るように、通帳とお財布の中身の定点チェックを始めましょう。

 通帳の定点チェックは、毎月末に行います。スタートするにあたり、過去の分もさかのぼって確認してみてください。月ごとに前月末と比べて残高がどのくらい増減しているのかを把握し、いつもより大きく増減している月があれば、なぜそうなったのかを考えてみます。

 こうすることで、自分が毎月どのくらいお金を使っているのかをざっくり把握できるようになり、これを毎月続けていると「残高を増やしたい!」というマインドになってくると思います。お金が増えることが楽しくなれば、こっちのもの。とても簡単な方法なので、ぜひ試してみてください。

無駄な買い物をなくすルールを作る

 お金を“見える化”して自然に出費を抑えるとともに、無駄な買い物をなくせば、お金の貯まるスピードは加速します。要は、必要ないものを買わないようにすればいいだけです。

「そんなの当たり前でしょ」と思うかもしれませんが、「無駄なもの買ったことなんてありません!」と言い切れる人などいないでしょう。

「着ない服」「食べ切れない食品」など、無駄な買い物をしないためのマイルールを作って、大切なお金を守りましょう。

 私は、インターネットで買い物をするときは、カートに入れて1日放置するようにしています。以前の私は「これを買った人へのおすすめ」のような商品が表示されるとついつい注文してしまったり、セールなどのお祭り的な雰囲気に負けていらないものを買ってしまったりと、ネットショッピングでの失敗を繰り返していました。しかし、カートに入れて1日放置してみると頭が冷静になって「あれ? これって、なくてもいいじゃん」と、買う量が格段に減りました。

 ここまで読んでいただいて、「なんだか当たり前のことを言っているだけ」と思う人もいるかもしれませんが、こんな当たり前のことをするだけで「手取りが少なくて貯蓄できない」状態から「お金に興味を持って、無駄をしないことが楽しくなる」にマインドチェンジできるのです。騙されたと思って、まずは“見える化”を始めてみましょう。

(板倉 京)

板倉 京(いたくら・みやこ)

1966年10月19日、東京都生まれ。神奈川県内で育ち、成城大学文芸学部マスコミュニケーション学科卒。保険会社勤務後に結婚。29歳で税理士資格試験の受験を決意し、32歳で合格する。36歳での長男出産を経て、38歳で独立。主な得意分野は、相続、税金、不動産、保険。テレビでは「あさイチ」「首都圏ネットワーク」(ともにNHK)、「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)、ラジオでは「生島ヒロシのおはよう一直線」(TBSラジオ)などに出演して解説。主な著書は「夫に読ませたくない相続の教科書」(文春新書)、「相続はつらいよ」(光文社知恵の森文庫)、「女性が税理士になって成功する法」(アニモ出版)、「知らないと大損する! 定年前後のお金の正解」(ダイヤモンド社)など多数。