どうぶつ
「うちにおいでよ」 競馬場で保護された盲目のねこ おぼつかない足取りで懸命に生きる姿に応援殺到
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岐阜県羽島郡にある「笠松競馬場」で保護された、1匹のサビねこ。目が見えず、頼りなく歩いているところを保護ねこハウスの運営者さんに発見されました。そして現在、笠松町と競馬場、保護ねこハウスが協力して、競馬場周辺に残された150匹のねこたちを保護する計画が進行中です。保護したサビねこのその後や、今後の活動についてお話を伺いました。
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競馬場で保護された盲目のサビねこ
「競馬場で暮らすねこちゃん 呼ぶとヨタヨタ寄ってくる よく頑張ってきたね もういいよ うちにおいでよ」
そんな報告ツイートを投稿したのは、hinatabocco.k(@hinatabocco_k)さん。愛知県一宮市にて、家族3人で保護ねこハウスを運営中です。これまでにも多くの保護活動を行い、治療が必要な子ねこなど常時50匹前後の保護ねこたちのサポートをしています。
以前も、国道沿いで骨折していた子ねこや猫エイズキャリアの地域ねこの保護ストーリーが、多くの人の注目を集めました。
投稿主さんは、岐阜県羽島郡笠松町若葉町にある笠松競馬場の周辺で、長らく保護ねこ活動に取り組んでいます。この競馬場の厩舎周辺には、遺棄されるねこが昔から絶えませんでした。そうしたねこたちが繁殖を繰り返し、現在は150匹ほどまでに増えているそうです。
今回、保護したサビねこもそのうちの一匹でした。年齢は推定10歳ほど。盲目で、目が回ったり、足がしっかり動かなかったりするなどの症状がみられるそう。今後、病院で詳しい検査を受けて、健康状態をチェックしてもらう予定です。
「場内にはたくさんのねこたちが暮らしていて、見回りをしている最中に見つけました。呼ぶとヨタヨタと寄ってくるのですが、目が見えていないため、触れられると怖いのか『シャー!』と威嚇されます。少し離れて呼ぶとまた近寄ってくるので、寂しかったのだと感じて『うちにおいで』と思いました」
サビねこの様子を収めた2本の動画をツイッター上で公開すると、3.9万件超もの“いいね”が集まりました。リプライ(返信)には「胸がぎゅーっとなりました」「頑張って生きてきたのですね」「この子を救ってくれて本当にありがとうございます。この子をはじめ、すべてのねこちゃんたちが幸せになりますように」など激励の言葉が送られるとともに、多くの寄付も寄せられています。
行政と協力して競馬場のねこたちを救うプロジェクトがスタート
保護ねこハウスにやってきたサビねこは、健康とは言えないものの、落ち着いた様子で過ごしているそうです。
「ごはんはちゃんと食べています。周りにたくさんのねこたちがいますので、これからハウスの仲間たちと仲良くなってくれればと思います。今後、里親募集はしません。うちの保護ねこハウスで暮らしていきます」
競馬場での保護ねこ活動にいっこうに改善がみられず、行き詰まりを感じた投稿主さんは昨年、笠松町の古田聖人町長に厳しい現状を訴え、今後の対策について直談判しました。その甲斐あって、笠松町と競馬場、保護ねこハウスが協力して、ねこたちを救うプロジェクトが始まったそうです。
「競馬場厩舎に遺棄され、増えてしまった150匹のねこたちを助けるためにシェルターを作り、里親募集をして命をつなげていこうと頑張っています」
投稿主さんのツイッターアカウントでは、保護ねこハウスで暮らすねこちゃんたちの様子が日々発信されています。どうか、すべてのねこちゃんに温かいおうちが見つかりますように。
(Hint-Pot編集部)