Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

おつまみの定番・枝豆は食べすぎに注意 適正量やおいしくゆでるコツを栄養士が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

食べすぎのリスクとは?

塩分のとりすぎに注意(写真はイメージ)【写真:写真AC】
塩分のとりすぎに注意(写真はイメージ)【写真:写真AC】

――栄養抜群なうえ、ダイエットに向くのなら、枝豆だけをたくさん食べてしまいそうです。

「ダイエットにありがちな『ばっかり食い』は、栄養が偏るため良くありません。ダイエットにおいても、多種類の食品をバランス良く食べることが大切です。先ほど、枝豆は動物性食品と比べると脂質が少なく、結果エネルギーは低いと言いましたが、野菜として考えると決してエネルギーは低くありません。たとえば日本食品標準成分表2020年版(八訂)でゆでた枝豆可食部100グラムをみると、118キロカロリーです。しかし、野菜には少ないたんぱく質が豊富であり、肉の代替品として考えれば決して高くはありません」

――適量としてはどのくらいを目安にしたら良いでしょうか? また、枝豆を食べるうえで気をつける点はありますか?

「栄養素をバランス良く摂取するために考案された食品分類法のひとつ『4つの食品群』では、成人で豆・豆製品は1日80グラムといわれています。ゆでた枝豆(さや付き)であれば160グラム程度(廃棄率50%)を目安にしましょう。ただし、塩分のとりすぎには注意が必要です。一般的な枝豆のゆで方は、ゆでる前に塩を揉み込み、ゆでる際もさらに塩を湯に加えます。食べすぎてしまえば塩分もエネルギーも増え、バランスが良いといわれる栄養素までも過剰にとってしまうおそれがあるでしょう」

――確かに、ゆでる際にけっこうな塩を使いますね。お酒の席では、ゆでた枝豆自体にも塩がかかっているときがあります。

「そもそも、日本人は塩分の過剰摂取が問題視されています。食事摂取基準によれば1日あたり成人男性7.5グラム未満、成人女性6.5グラム未満とされていますが、WHO(世界保健機関)では5グラム未満です。塩分の過剰摂取は高血圧のほか、動脈硬化、脳卒中、心臓病のリスクが高まります。枝豆の栄養価は高いですが、過剰な塩分摂取には気をつけたいところです」

――ゆでる際のコツはありますか?

「極力塩分を減らしたほうが良いでしょう。また、ビタミンCなど水溶性の栄養素やうま味の損失を少なくしたい場合は、電子レンジでの加熱調理もおすすめです。洗った枝豆(160グラム程度)を耐熱ボウルに入れ、塩を適量(小さじ1弱程度)揉み込み、軽くラップをして電子レンジへ。目安として600Wで2分半加熱しましょう。いったん取り出し、ラップを取って全体を混ぜ、さらにラップをして2分半ほど加熱します。すぐにラップをはずさず、5分ほど蒸らすと良いでしょう」

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾