食
芽が出たニンニクは食べてもOK? ニンニクの芽との違いとは 保存のコツも聞いた
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:和漢 歩実
使わずに置いていたニンニクから、緑色の芽が出ていた経験はありませんか? この状態のニンニクは、食べても良いのか迷うところです。また、ニンニクから出たこの芽は「ニンニクの芽」とは違うのでしょうか? いまさら聞けないニンニクの芽のことや保存のコツなどについて、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
◇ ◇ ◇
出た芽には栄養も 市販しているニンニクの芽とは別物
すぐ使い切れずにいたニンニクの中心から、いつの間にか伸びていた芽。ジャガイモの芽は毒性があるなどといわれることから、芽が出たニンニクも食べられないのでは? と疑問に思うこともあるでしょう。
――ニンニクから芽が伸びて出ている場合、食べても問題ないのでしょうか? また、芽は取り除いて食べたほうが良いですか?
和漢さん(以下、同)「結論から言えば、食べても問題ありません。ジャガイモの芽のような毒素が含まれているわけではなく、ニンニクから伸びた芽はむしろ栄養価が高いともいわれています。しかし、風味や視覚的なことを考えたら、取り除いたほうが良いでしょう」
――栄養価が高いとなると、ニンニクから伸びた芽自体を食べても良いということですか?
「そうですね。鉄やカルシウム、亜鉛などのミネラルやGABAが鱗片よりも多く含まれているといわれています。伸びた芽を加熱して食べても良いですが、焦げやすいのが難点です。取り除く場合は、ニンニクの外皮を取り除き、頭部分とおしり部分の上下をカットして縦半分に切ります。芽が見えるので包丁の刃元を使うと良いでしょう」
――このニンニクから伸びている芽は、スーパーマーケットで売られているニンニクの芽とは違うのですか?
「はい、違います。ニンニクの芽の名前で売られているものは、実は『茎ニンニク』という芽ではなく茎の部位で、とう立ちしたニンニクの花茎を若くやわらかいうちに収穫して、つぼみを取り除いたもの。したがって、ニンニクの芽とニンニクから伸びて出た芽は別物です。ちなみに、つぼみが付いたものは『花ニンニク』といいます。ニンニクと比べると臭いが穏やかです」
――ちなみに、ニンニクの芽はニンニクと栄養素が異なるのでしょうか?
「含まれる栄養成分に大きな違いはありませんが、ニンニクの芽のほうがカルシウムやβカロテン、ビタミンK、葉酸、ビタミンCが多いです。1回の摂取量でエネルギーを比較すると、ニンニクは1片約5グラムで6キロカロリー、ニンニクの芽は約50グラムで22キロカロリー。ニンニクもニンニクの芽も、さまざまな健康効果が期待できるうえにエネルギーが低いので、ダイエットを意識している方にはおすすめかもしれません」