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甘くてみずみずしい桃 カロリーは高い? 気になる栄養価をほかの果物と比べてみた
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教えてくれた人:和漢 歩実
桃の主な栄養とは 食物繊維やカリウムが豊富
このほか、桃はペクチンと呼ばれる水溶性の食物繊維が豊富です。整腸作用のほか、血糖値の急激な上昇やコレステロール値の上昇を抑えることが期待されます。またカリウムも含まれており、体内の余分な塩分の排出を促すので、高血圧やむくみが気になる際は摂取したい成分です。こちらも、可食部100グラムあたりでほかの果物と比べてみましょう。
○食物繊維
・白桃 1.3グラム
・黄桃 1.9グラム
・ミカン 1.0グラム
・リンゴ 1.4グラム
・バナナ 1.1グラム
○カリウム
・白桃 180ミリグラム
・黄桃 210ミリグラム
・ミカン 150ミリグラム
・リンゴ 110ミリグラム
・バナナ 360ミリグラム
食物繊維は、黄桃がこのなかでもっとも多く、白桃はリンゴとほぼ同じ程度含まれています。カリウムはバナナが断然トップですが、桃も決して劣ってはいません。
ほかの果物と比べて桃に少ない栄養とは
次に、果物といえばビタミン類。とくに美肌づくりのコラーゲンを生成するには欠かせないビタミンCと、老化防止や生活習慣病予防に期待大の抗酸化作用があるビタミンEを比べてみましょう。
○ビタミンC
・白桃 8ミリグラム
・黄桃 6ミリグラム
・ミカン 32ミリグラム
・リンゴ 4ミリグラム
・バナナ 16ミリグラム
○ビタミンE
・白桃 0.7ミリグラム
・黄桃 1.3ミリグラム
・ミカン 0.4ミリグラム
・リンゴ 0.1ミリグラム
・バナナ 0.5ミリグラム
これらを比べると、残念ながら白桃も黄桃もビタミンCが少ないとわかります。柑橘系であるミカンが断然トップです。
ただし、ビタミンEはほかの果物よりも多い特徴があります。加えて、桃にはお茶の成分として知られるポリフェノールの一種カテキンも。ビタミンEよりも強力な抗酸化作用、殺菌作用が期待できる成分です。カテキンは桃の皮の近くに多く含まれています。栄養メリットをとりたいときは、無農薬や低農薬の桃を選び、しっかりと水洗いをして皮ごと食べても良いでしょう。
旬の果物には、その時期の体が喜び必要とする成分がたくさん含まれています。しかも、一年を通してもっとも安く、おいしくて栄養価も高いのが特徴です。旬の時期に、おいしく食べたいですね。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾