からだ・美容
もしかして臭い!? 気になる脇汗のにおいの原因と対策法を医師が解説
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教えてくれた人:佐藤 卓士
においを軽減するには生活習慣の見直しを
自分の意思で汗の量をコントロールすることはできません。なぜなら、汗は体温調節をするために欠かせないものだからです。制汗剤で一部の汗を止めたとしても、代償としてほかの部位から汗が出てきます。汗をかかないと熱中症にもなりやすいので、注意してください。
体に熱がこもると汗が出やすくなるので、首や手首、膝の裏など太い血管が皮膚表面に近いところにある部位を冷やしてあげると、汗を大量にかくことは防げます。
汗と皮膚の汚れが混ざることでにおいが発生しますから、汗をかいたら優しく拭き取りましょう。また、下着や衣服は常に清潔にしておくこと。通気性のいい衣服を選ぶ、汗取りパッドを使うのも汗のにおい対策になります。
当然ですが、体の汚れを落とし清潔にすることが大切です。お風呂に入り、きちんと体を洗いましょう。足の指の間、耳の後ろなど細部を忘れないようにしてください。お風呂に入って汗をかくことも、ベタベタ汗を防ぐことになります。
脇毛など体毛があると蒸れたり汚れが溜まったりしやすいので、処理をしておくのもにおい対策になるでしょう。
食生活では動物性のたんぱく質、脂質の過剰摂取は控えたほうがいいでしょう。においのもととなる成分なので、とりすぎには注意が必要です。
適度な運動、十分な睡眠、ストレスを溜めないこともにおい対策につながります。
手のひらに汗をかくのは多汗症の可能性も
過剰に汗をかくと「多汗症では?」と疑う人もいますが、顔や首に大量に汗をかくことはさほど心配ありません。それは、体温が上昇したときに出る温熱性発汗です。
日常生活に支障がでるほど汗をかく場合は、病気が隠れているかもしれません。とくに、脇や手のひらがびっしょりと濡れるほど汗をかくのは多汗症の疑いがあります。
これは精神性発汗で、緊張やストレスからくるもの。精神性発汗は脇や手のひら、足の裏に汗をかくのが特徴です。脇は温熱性と精神性のダブルで発汗があるので、においも気になりやすくなりますね。
塗り薬や内服薬など治療法もありますので、手のひらや足裏に大量に汗をかいて困っている人は過度に不安がらず、ぜひ病院を受診してください。
汗をかきたくないからと、水分を控えることは絶対にしないでください。この暑さの中では熱中症で倒れてしまいます。こまめに水分をとり、汗をかいたら優しく拭き取るようにしましょう。
(岩淵 美樹)
佐藤 卓士(さとう・たかし)
1970年4月7日生まれ。九州大学医学部卒。岡山大学医学部、杏林大学医学部、都立大塚病院形成外科にて研鑽を積む。医学博士、日本形成外科学会認定専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本美容外科学会、日本レーザー医学会、日本手外科学会、日本創傷外科学会に所属。2018年よりアヴェニュー表参道クリニック院長として、形成外科・皮膚科で学んだ知識と経験を基にわかりやすい説明を心がけ、日々診療を行う。