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日本の学校文化に感動 米国で生まれ育った少女がうれしかった3つのこととは

公開日:  /  更新日:

著者:小田島 勢子

上履きの習慣に感心する長女【写真:小田島勢子】
上履きの習慣に感心する長女【写真:小田島勢子】

 新型コロナウイルスの感染対策として行われてきた水際措置が終了し、コロナ禍前のように国外への行き来がしやすくなりました。米ロサンゼルスで娘3人を育てるナチュラリストの小田島勢子さんは、この夏、4年ぶりに日本へ帰国。今回の一時帰国では、長女が日本の中学校に体験入学しました。米国で生まれ育った少女が驚いた日本の学校文化とは。

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4年ぶりの帰国 日本特有の空気に万感の思い

 2023年初夏。日本と米国、そしてそのほかたくさんの国々でコロナ前と同じように往来できるようになっています。

 コロナ前までは、子どもが夏休みに入るたび、年に一度は帰国していた我が家も、この夏は4年ぶりの日本上陸となりました。我が家のように久々の帰国になった家庭も多く、飛行機から降り立ったときの、あの湿気を帯びた日本の空気や香りに懐かしさが込み上げ、涙が出そうになる感覚を覚えた人も多いのではないでしょうか。

4年ぶりの日本の空港【写真:小田島勢子】
4年ぶりの日本の空港【写真:小田島勢子】

 草原のように緑が揺れる滑走路や、遠くに見える山の青さは、乾燥したロサンゼルスの土地から来た子どもたちにとっても感動的だといいます。

 今回の帰国は、南は兵庫県淡路島から北は岩手県まで、ときに菌のワークショップを開催させていただきながら、10県ほどを子どもたちとめぐる旅となりました。各地で見たものや感じたもの、地元の方から学んだことなどを海外在住者の目線も含め、数回にわたり綴ってみたいと思います。今回は、長女が体験入学した日本の学校についてのお話です。

長女の学校体験入学 憧れのスクールライフを実現

 今年6月に米国の中学校を卒業した14歳の長女は、日本よりひと足早い夏休みを使い、日本の中学校に2週間ほど体験入学をしてきました。(米国では通常、日本の中学2年生にあたる8年生で中学校を卒業。高校が4年間ある)

 一時帰国中の体験入学は前もって希望の学校へ問い合わせる必要があるため、帰国の数か月前に連絡をしました。体験入学は各教育委員会の裁量に任されており、実施していない学校も。学校側のスケジュールや受け入れ態勢が整っていれば、日本の住民でなくとも一定短期間、通うことができます。条件や期間も各教育委員会で異なるようです。

 こうして長女が通うことになったのは、私の実家近くにある中学校でした。その学校は海外からの受け入れを推進しているようで、手続きからサポートまでとても親切でした。使わなくなって寄付された制服や体操服を無料で貸し出ししてくださり、長女の憧れだった日本のスクールライフを楽しく送ることができました。

 制服を着て学校へ通えたこと以外に、毎日娘がとても喜んだのは3つ。温かい給食をたっぷりと時間をかけて食べることができること。清掃の時間があり、自分たちで教室や廊下をきれいに掃除し校内がとてもきれいなこと。そして、お友達がとても親切で優しいことでした。