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子どもが白目をむいて震え出した 熱性痙攣の実体験漫画がためになる 救急車を呼ぶべきサインとは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

熱性痙攣を起こしたらまずは周囲の人が落ち着くことを意識

 moroさんの漫画でも対処法が紹介されていますが、小児科の竹中美恵子医師にさらに詳しいお話をお聞きしました。

――熱性痙攣は、発症しても重篤な問題はないのでしょうか。
「熱性痙攣は良性の疾患で、半数以上は再発することはありません。また、その後何度か繰り返したとしても、成長に伴い5~6歳くらいでほとんど起こらなくなります。ただし、髄膜炎や脳炎・脳症など、ほかの疾患が隠れていないかを確認することが大切です」

――救急車を呼んだほうがいい場合は?
「初めて熱性痙攣を起こした、5分以上痙攣が続いている、何度も痙攣を繰り返している、呼吸が不規則だったり低下していたりするなどの場合は、迷わずに救急車を呼んでください」

――万が一、我が子が熱性痙攣を起こしたとき、最も気をつけたほうがいいことは?
「まずはなるべく冷静になることを心がけましょう。痙攣中に手足や眼球が左右差のある動きをしていなかったかをなるべく観察してください。可能でしたら、スマートフォンのビデオなどで痙攣中の様子を撮影しておくと、あとで医師が診断するときに役立つので、記録を残すことをおすすめします」

「同じ経験をされた親御さんが多いことに驚きました」

 最後に、作者のmoroさんに後日談など、詳しいお話を伺いました。

――熱性痙攣を経験してから、変化したことは?
「『家庭の医学』という本を購入して、子どもに異変があればすぐ調べるようになりました。あとは、微熱でも注意深く観察するようになりましたね」

――途中までパニックになっていた父ちゃんさん。「いてくれて良かった」と思った行動は?
「夫は私が準備している間にタクシーの手配をし、病院まで付き添ってくれました。病院では待合室で待機してもらいましたが、やっぱりひとりだと心細いので、夫の存在はありがたかったです」

――その後、こもろちゃんとこもたろくんが熱性痙攣を起こしたことは?
「娘、息子ともに何度かあります。最初のとき、医師に『焦らなくて大丈夫』と聞いていたので、その後は落ち着いて対応できていたと思います」

――こもろちゃんにこのときのお話をしたり、漫画を読んでもらったりはしましたか?
「娘には話をしました。漫画も読んでいます。娘は5歳のときも熱性痙攣を起こしたのですが『全然、覚えてない』と言っています。その後、脳波の検査をやったことは覚えているようです」

――読者からの感想を読んで気づいたことはありますか?
「『うちもうちも!』と、同じ経験をされた親御さんが多いことに驚きました。意外と身近なことなんだな、と」

◇竹中美恵子(たけなか・みえこ)
小児科医。女医によるファミリークリニック院長。難病指定医、キレーション認定医、小児慢性特定疾患指定医、子どもの心相談医。金沢医科大学医学部医学科卒業。

(Hint-Pot編集部)