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自然災害にいち早く備えるために 気象予報士が教える台風の天気図の見方

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

台風の進路予測の仕方 2019年の房総半島を襲った台風から考える関東地方の防災対策

2019年に千葉県の房総半島を襲った台風15号の経路図【画像:気象庁】
2019年に千葉県の房総半島を襲った台風15号の経路図【画像:気象庁】

 台風の進路は、主に上空の風の影響を受けます。この太平洋高気圧の時計回りの風の影響も受けますので、実際にこのときも高気圧の外側にある等圧線の張り出しに沿って進んでいたことがわかります。台風の経路を見るときは、天気図の高気圧の位置も一緒に確認するといいでしょう。

 実はこのとき、私はこの台風15号を関東地方で体験しました。このとき感じたのが台風の風の強さです。

 東京都の島嶼部では風速40メートル以上の猛烈な風が吹き、千葉県千葉市や東京都大田区の都心部でも最大瞬間風速35メートル前後の暴風が吹き荒れました。千葉県では停電や床上床下浸水だけでなく、家屋の屋根や窓ガラスが割れるなど県内の8万2000棟を超える住宅で被害を認定。大きな被害をもたらしました。

 ひと昔前であれば、関東地方に近づくにつれて台風は勢力を弱め、熱帯低気圧に変わることが多かったですが、近年は地球規模の温暖化による影響で、日本の南の海域で発生した台風が勢力を維持したまま関東地方に接近・上陸するケースが増えています。

「備えあれば憂いなし」ということで、たとえば、九州地方の家屋には当たり前にある雨戸の設置など、できることから防災対策を始めてみてはいかがでしょうか。すぐには取り付けられないという場合は、窓ガラスが割れたときの飛散を軽減する対処法のひとつとして、養生テープを貼ることも考えてみるといいかもしれません。

 台風は、5日前から進路予想が気象庁から発表されます。早い段階から台風の位置や進路を気にかけ、早めの対策を心がけましょう。

◇早田蛍(はやた・ほたる)
熊本県生まれ。高校生のときに気象予報士を志すも、大学受験に失敗し、フリーターに。しかし、「一生やりたい仕事ってなんだろう?」と一念発起し、福岡大学経済学部に入学。1年生のときから再び、気象予報士を目指して勉強をスタートさせる。4年生の3月、8回目の試験でようやく合格し、見事、気象予報士の夢を実現させた。

(Hint-Pot編集部)